食後高血糖は認知機能にも影響
加齢とともに糖尿病でなくても、食後高血糖という状態が起きることがあります。食後高血糖は、糖尿病と同じように認知機能に影響します。
野菜と肉だけを食べた場合では、ほとんど血糖値は上昇することはありません。しかし、おいしい白米を茶碗で1杯、一気に食べると、血糖値は急上昇します。白米は砂糖を食べるのと同じ効果を身体にもたらします。白米は、砂糖を食べるのと同じです。血糖の正常値はだいたい100㎎/dlなので、体内の全血液量が3500mlとすると、血液中の糖の全量は3.5gです。
ですから5gの砂糖をなめるだけで血糖値は上がるのですが、砂糖と同じ白米を一気に100g以上も食べるのは身体にとってさらに危険です。特に中年で肥満傾向の方は、インスリンの出が悪くなっているので、急に上がった血糖値を下げることができません。
また、糖質は一緒に水分を摂取すると小腸へ素早く移動するため血糖値は上がりやすく、また糖質はNaと一緒に腸粘膜から吸収されるので、塩分を同時に取ると糖質は吸収されやすくなります。逆に、タンパク質や脂質、食物繊維を多く含む食品は、血糖値が緩やかに上昇して下降しにくい傾向になり、いわゆる腹持ちの良い状態になります。
高GI、低GIそれぞれの食品の値は?
「グライセミック・インデックス(GI)」という指標があります。GIは糖質を食べたときの吸収されやすさの度合いを表しており、ブドウ糖を吸収した時の血糖値を100とし、それと比較した値です。
すなわち100に近いほどブドウ糖と同じくらい早く吸収され、血糖値はすみやかに上がり、インスリンの分泌もスパイク上に出ます。血糖値の上昇が穏やかな低いGI値の食品を選んで摂ることで体内脂肪を減らし、体重の減量を図ることができます。
ただし低いGI値の食品であっても、摂取量が多ければ、結局血糖値の上昇に伴うインスリンの過剰分泌とエネルギーの過剰摂取になり、体脂肪の蓄積を誘発します。食品を選べばいくら食べても平気ということは決してありません。
あくまでも今までの摂取量は増減せずに中身を低GI値の食材に入れ替えることで満腹感を味わいながら、糖尿病にはならないという食事方法です。
では、日常の食生活で、どんなものがGI値が高く、低いものは何でしょう。
GI値が高い穀物は、食パン=95▽白米=88▽もち=85▽うどん=95などです。GI値が低い穀物は、おかゆ=57▽玄米=55▽ライ麦パン=55▽全粒粉パスタ=50です。
また、GI値が高い果物は、いちごジャム=82、GI値が高い乳製品は、アイスクリーム=65など。GI値が高いお菓子はキャンディー=108▽どら焼き=95▽チョコレート=91▽大福餅=88▽ドーナツ=86▽フライドポテト=85▽ショートケーキ=82などとなっています。