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「骨盤底筋トレーニング」で尿漏れや骨盤臓器脱を防ぎましょう

「骨盤底筋トレーニング」で尿漏れや骨盤臓器脱を防ぎましょう
エイジングケア
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トレーニングで出産や更年期のダメージを軽減

骨盤の底で膀胱や直腸などを支える筋肉「骨盤底筋群」の機能が低下すると、尿漏れなどを起こしやすくなります。女性の場合は、出産で骨盤底筋群がダメージを受け、更年期が機能低下に拍車をかけます。

最近は、使い心地の良い尿漏れパットなども登場していますが、腟から臓器が下垂して飛び出す骨盤臓器脱になると、自転車に乗れないなど、日常生活により影を落とすようになります。

そんな状態を防ぐのに役立つのが骨盤底筋トレーニングです。

「若い頃から骨盤底筋トレーニングを意識して行っていると、出産時や更年期の骨盤底筋群のダメージを軽減することができると思います」

こう話す城西国際大学の横井悠加准教授は、尿漏れや骨盤臓器脱で悩む数多くの患者に骨盤底筋トレーニングを指導し、成果を上げています。そこで、誰もが簡単にできる骨盤底筋トレーニングの方法をご紹介しましょう。(別項参照)

トレーニング用スマホアプリも

骨盤底筋トレーニングの指導では、超音波診断装置を使って骨盤底筋群の動きを見ながら、正しい方法が実践されているかを確認します。また、自宅でも骨盤底筋トレーニングがスムーズに行えるように、スマートフォンのアプリ「Carin」(LSG社製)を導入。アプリを使用していない群と比べてトレーニングの習熟度などが上がり、骨盤底筋群の機能が向上し、症状の軽減につながったそうです。

「デバイスを上手く使うことで、モチベーションが維持されやすく、ご自宅でのトレーニングが向上することがわかりました。トレーニングを楽しみながら、日常生活に骨盤底筋トレーニングを当たり前のように取り入れていただきたいと思います」

尿漏れはまだ大丈夫だけれども、骨盤底筋群の機能を維持したい方は、骨盤底筋トレーニングに加えて、日頃から運動習慣も持つように心掛けるとよいそうです。たとえば、妊娠10週目~39週目に「週3回×1時間」程度運動すると、出産にかかる時間が短縮すると報告されており、骨盤底筋群へのダメージを軽減することが期待できます。

ただし、骨盤底筋群にダメージを与える運動もあるので、医療従事者など、専門家に相談しながら実施しましょう。

「運動の中でも、縄跳びやトランポリンのような両脚で同時ジャンプするような動きは、骨盤底筋群にダメージを与えることがあるため、避けた方が無難です。両脚で同時につくような運動は、骨盤底筋群には逆効果なのです。ウオーキングやジョギングのように片脚ずつ、地面に足をつくような運動を意識しましょう」と横井准教授はアドバイスしています。

解説
城西国際大学准教授
横井 悠加
城西国際大学総合福祉学部理学療法学科准教授。日本理学療法学会連合日本ウィメンズヘルス・メンズヘルス理学療法研究会副理事長。2001年、行岡リハビリテーション専門学校理学療法学科卒。修士課程修了などを経て、2017年4月から現職。
執筆者
医療ジャーナリスト
安達 純子
医療ジャーナリスト。医学ジャーナリスト協会会員。東京都生まれ。大手企業からフリーランスの記者に転身。人体の仕組みや病気は未だに解明されていないことが多く、医療や最先端研究などについて長年、取材・執筆活動を行っている。科学的根拠に基づく研究成果の取材をもとに、エイジングケアや健康寿命延伸に関する記事も数多く手掛けている。