実家には、母の趣味でもある絵本がズラリと並んだ本棚があります。母は保育士という職業柄か、絵本集めが大好きです。昔発行されたシリーズものの作品がリバイバル販売された際、復活記念として発売されたオリジナルの専用箱に入った限定品や、作家さんのサインが入ったレアものなどを大切に保管しているようです。
中には仕掛けの部品が壊れたため修理に出し、戻ってきた飛び出す絵本なんかもあります。
私が小さい頃に愛読していた絵本もいまだに残っており、古びても少し破損箇所があっても母なりにケアしながら収納しているため、今でもちゃんと読むことができます。「よほどのことがないかぎり手放さない」という母の並々ならぬ気概を感じる、身内のことながら立派だなと思う本棚です。
大事に読みなさいね、といつも言われていた記憶がよみがえります。父や祖母からも同じように教えられていたため、たとえ絵本ではない週刊や月刊のマンガ雑誌やカタログのような冊子でも「ページを開いたまま伏せる」や「寝そべって読む」はご法度でしたね。
伏せることは特に厳禁とされていたため、途中で読書を中断する場合はしおりを挟むか、しおりがないときはわが家の座布団をページとページの間にちょっとかませるという何ともマニアックな手法を使っていました。
座布団の端っこなら柔らかいから紙を傷つけたり背表紙に負荷が掛からないとされていたので、わが家では「セーフ」だったのですが…、いまだ他に「あ、座布団のしおり、うちもやってた」という人にはお目にかかっておりません。この場を借りて、いらしたら、ぜひご一報が欲しいくらいです。
ちなみに最近ではマンガは電子書籍で読むことがほとんどですが、時々このマンガは紙で読みたい! と決めて本屋さんで購入するパターンもあります。購入してふとカバーをめくると、本にもカバーの裏にもオマケのイラストやマンガが描かれているバージョンに遭遇すると、「うぉー、ラッキー! サービスありがとうございます!」と得した気持ちが爆発して、独りハアハアもだえるのでした。