すべての医薬品には副作用があります。ワクチンも医薬品ですから副作用があります。これは医学の常識です。新型コロナのワクチンも例外ではありません。
副作用の中でもっとも深刻なものがワクチン接種後の死亡です。医療機関などから国に報告された新型コロナワクチンを接種後の死亡例は、昨年11月13日までに1919件でした。しかし、12月18日に1966件に更新されました。わずか1カ月ほどで死亡例が47件も増えたわけです。
予防接種法ではワクチンで死亡したときは最大4420万円の死亡一時金と葬祭料21万2000円が支払われることになっていますが、新型コロナワクチン接種後の2000件近い死亡例について、厚生労働省はワクチン接種との因果関係について、ほとんどを「γ(評価不能)」としています。
ところが、今月10日までに計30件の死亡ケースについては死亡一時金などが支払われているのです。
米国では今年1月に世界的なニュース誌「TIME」が、オミクロン株の追加接種については「負けゲーム」であると言い切っています。これだけみると新型コロナワクチンの負の面だけが強調されます。
ただ、新型コロナのワクチン接種が多くの人の命を救ってきたことも事実です。ファイザー社は2020年7~11月に2万人超を対象に行った治験で、新型コロナワクチン接種後の死亡者は0.1%未満だったとしています。
また、ほぼ同数の人に偽薬であるプラセボを接種した治験でも、死亡したケースは同じ0.1%未満だったとしました。
私が今回、申し上げたいのは、ワクチンにも接種後の死亡という副作用があること、そしてそうした死亡者の遺族に対しては、国は医学的な調査を行った上で、予防接種法に基づいて救済措置をとるべきではないかということです。
「健活手帖」 2023-03-01 公開