アフターピルというのは、避妊に失敗したときや性犯罪にあったときに、緊急的に妊娠を阻止する薬のことです。アフターピルに含まれる黄体ホルモンは、卵胞の成熟を遅らせることで排卵を遅らせる効果があるため、72時間以内に服用すると妊娠する可能性を低くすることができます。
また性交渉を持った日が排卵日前後であって、アフターピルによる排卵の抑制が間に合わずに受精したときも、黄体ホルモンには受精卵が子宮内膜に着床することを阻害する働きがあるので、妊娠しにくくなるのです。
こうしたことからアフターピルは望まない妊娠を防ぐために女性の強い味方ともいえる薬ですが、性行為後72時間以内に服用しなければ十分な効果はありません。24時間以内にアフターピルを服用すれば、85%の確率で妊娠を阻止することができます。
これまでは婦人科などの処方箋がないと入手することはできませんでした。性犯罪に巻き込まれた女性や、仕事などで受診することができなかった女性はアフターピルの服用のタイミングを逃してしまう方も少なくないようです。
そのため、2019年にオンライン診療で処方してもらうことが可能になりました。
アフターピルの処方は健康保険が適用されないために自由診療になります。診察料や処方料は医療機関によって違いますが、1万円前後です。アメリカ、イギリス、ドイツ、フィンランド、インドなど多くの国では一般用医薬品として承認されているので処方箋がなくても薬局などでも買うことができます。日本でももっと手軽に入手できるよう求める声が高まっています。
ちなみにアフターピルを服用しても必ず妊娠を阻止できるわけではありませんから、服用後に月経の予定日から1週間が経過しても月経がないときは妊娠している可能性があるので、婦人科を受診するようにしてください。