頭痛の意外な原因とは?
「朝、起きると頭が痛い」「仕事中にも頭が痛くて集中できない」と頭痛は時と場所を待ってくれない。シニア世代の男女で頭痛に悩んでいる人は少なくない。脳に異常がない頭痛は首の施術を行うことで良くなるが、そうでない原因もあるという。
“世界の整体王”こと、澤田大筰氏は、「原因が首のコリなどではなく、顎(がく)関節に原因がある症例はしばしば見受けられます。その場合、あごの関節を緩めると、頭痛が消えてスッキリするケースが多いです」と語る。
歯ぎしりと顎関節が引き起こす頭痛
顎関節に由来する頭痛のメカニズムを澤田氏に解説してもらった。
「この原因は、就寝中に歯ぎしりを行っていることなどが関係しています。普段、かむ力は成人でだいたい60キロ前後で、歯と歯が接触している時間は1日に20分前後といわれています。それが、就寝中、脳が睡眠状態にある際に歯ぎしり食いしばりをすることで脳の制御が効かず、2倍から3倍の120~180キロまでかむ力が上がり、その上、歯と歯の接触時間が2、3時間まで増えてしまいます」
その結果、首を含めた口腔周囲の筋肉が過剰に緊張するため、頸椎付近を流れる血管が圧迫されて血流障害を起こし、神経にも影響して頭痛を引き起こすという。
かみ合わせのズレと咀嚼筋の影響
もう一つは、歯のかみ合わせのズレに由来する頭痛だ。
「食べ物をかむための咀嚼(そしゃく)筋のうち、口の開閉時の両方に関与し、かみ合わせのバランスにも関係する筋肉が外側翼突筋です。外側翼突筋は耳の手前の顎関節の内側についている小さな筋肉で、顎関節の不調やかみ合わせが悪化すると、外側翼突筋を含めた咀嚼筋が過緊張を起こして硬直します。すると顎の位置が定まらず、それを支えるための首の筋肉が引っ張られ頸椎のズレを引き起こします。頸椎のズレが血流の流れと神経の伝達を阻害し、頭痛の症状となって現れるのです」
自分でできる顎関節のセルフケア
頭痛の原因が顎関節にある場合、自分で簡単に頭痛を和らげる方法として外側翼突筋を緩めることが効果的だと澤田氏はいう。
かみ合わせの治療は歯科の分野になる。澤田氏は浜松町歯科・矯正治療院(東京都港区)の松木佳史院長(歯科医師)=写真=と連携してより良い治療を目指している。
「全身の調整は私が行い、口腔内は歯科医師が調整することで、かみ合わせや頭痛をはじめ、不定愁訴(しゅうそ)といった原因がわからないとされている痛みや痺(しび)れ、倦怠感などの症状の改善につながる場合が多々あります」と澤田氏は語る。
頭痛を放置せず適切な治療を
頭痛は生活の質(QOL)を阻害する大きな要因で、これを放置すれば、結果的に健康長寿を損なう恐れもある。他の治療法で頭痛が治らなかった人は、整体やかみ合わせ治療による施術も選択肢になりそうだ。