ゴルフ上達の健康管理ヒント
シニア世代で健康長寿を目指してゴルフを続けている人も多いだろう。もっと上達したい人に“世界の整体王”こと、澤田大筰氏から耳寄りな健康管理のヒントがある。 「ゴルフのスイング時に意識しなければいけない大切な場所があります。その場所を矯正すると、プレーが安定するだけでなく、猫背も治り腰痛予防にもつながります」 まさに一石三鳥。澤田氏はゴルフの片山晋呉プロに帯同してリオデジャネイロ五輪やマスターズの現場でも施術した経験がある。片山プロにも施術しているその大切な場所は胸椎の12番目の骨だという。
胸椎12番を意識する効果
「スイング時に腰ではなく、背中にある胸椎12番を意識するようにすると、ボールはよく飛んで、しかも曲がらず正確性にショットを打つことが可能になります。胸椎12番を矯正することでより動きやすくなります」と澤田氏は解説する。 なぜ、腰よりも胸椎12番を意識した方がいいのだろうか。その理由は骨の形状にあるという。 「胸椎はスイングに必要な回旋しやすい形状になっていますが、胸椎の下に続く腰椎には突起があってこれが回旋運動を妨げています。このため腰椎は独自で回旋することが出来ません、あくまでも胸椎と股関節の動きにより回旋しているように見えるだけなんです。そして無理に腰で回旋しようとすると剪断(せんだん)力が腰にかかり、これが腰痛の原因となります」(澤田氏)
ゴルフと健康長寿の関係
さらに、胸椎12番より下の腰椎を回旋させてスイングしようとすると、それにつられて足が外旋の開きを招いてしまう。これは、腰椎で回旋することができず股関節の動きで回旋していることが関係している。 「加齢によりだれもが関節も硬くなります。胸椎12番を中心に関節面を矯正し可動域を高めることで、より良いスイングが可能になり、そのうえ姿勢が良くなり猫背も改善されます」と澤田氏は話す。 健康長寿には、シニア世代でも無理なく続けられる運動の有用性が指摘される。ゴルフはその点、理想のスポーツの一つ。仲間と一緒にプレーで交流が楽しめ、カートを使わなければ、ラウンド中にかなりの距離を歩く。ショットごとに風を読みながら、どのクラブを使うかなどで頭も使う。
猫背改善と日常の注意点
ちなみに永久シード権を持つ片山プロは胸椎12番への意識だけでなく、普段から足を組まないようにし、横座り、あぐら、肘枕もしないようにしているという。 澤田氏は「だれもが知らず知らずのうちにこうした体勢をとってしまいがちです。首や背骨、股関節、骨盤のゆがみや変形につながるため、アスリートだけでなく、一般の人もそうならないように心掛けてほしいものです」と助言する。 冒頭で触れた猫背は日本人の7割が悩んでいるといわれる。 猫背改善について著作がある澤田氏は「猫背であることは、見た目の問題だけでなく、仕事の成果や出世にも影響します。健康面では胃腸の不調につながるなど、健康長寿を阻害する多くの問題をはらんでいます」と警告する。
写真=澤田大筰氏は片山晋呉プロのリオ五輪にも帯同