更年期は何かとからだの不調が重なりやすい時期です。その症状のひとつとして、腰痛が悪化している人もいるのではないでしょうか。この記事では更年期の腰痛軽減におすすめの方法として、家で取り組めるヨガなどを紹介します。腰痛の解消だけでなく予防の効果も期待できます。
更年期に腰痛が起こりやすい理由
更年期は何かと不調を感じやすい時期です。そのなかでも腰痛は主に以下の理由が考えられます。
ホルモンバランスの変化
更年期は、女性ホルモンである「エストロゲン」の分泌量が大幅に減少します。エストロゲンは血管や骨を健康に保つ働きがあるので、これが減少することで腰に負担がかかって痛みを発症してしまう可能性があるのです。
【参考】
エナ女性クリニック「女性ホルモンの役割とは?多い場合や少ない場合の変化や増やす方法も紹介」
https://ena-nihonbashi.com/column/kounenki/2524/
また、ホルモンバランスが崩れることで、自律神経が乱れやすくなります。自律神経が乱れると筋肉の緊張や血行不良につながるため、これが腰痛を引き起こす可能性も否めません。
筋力の低下
一般に筋肉量は40代頃から減少するといわれています。加齢に伴い筋肉量が減少して姿勢を支える筋力が弱まると、腰に必要以上の負担がかかって痛みが生じることもあります。
また、長時間悪い姿勢を続ける、重いものを運ぶ機会が多いなどの日々の生活習慣も腰痛の原因になります。これらは無意識に行っていることが多いので、まずは自分の普段の生活を振り返り、生活習慣を見直すことが大切です。
【参考】
名古屋大学大学院医学系研究科地域在宅 医療学・老年科学 葛谷雅文「高齢者における栄養の特性と課題、フレイルと栄養の関係」
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000209720.pdf
更年期の腰痛に効果のあるヨガポーズ3つ
ヨガは呼吸と連動させてからだを動かすので、筋肉をほぐしたり鍛えたりするだけでなく、自律神経を整える効果も期待できます。更年期の腰痛解消には、ぜひヨガを取り入れてみてください。
ここでは腰痛の解消・予防におすすめのポーズを3つ紹介します。ただし、痛みがひどい場合や違和感がある場合は、すみやかに中断して医療機関を受診してください。
キャットアンドカウ
- 四つん這いになる。肩の下に手首、脚の付け根の下にひざを置く
- 息を吸いながらゆっくり背中を反らす。肩に力が入らないように注意する
- 息を吐きながら背中を丸める。目線はおへそに向けて、両手でしっかり床を押す
- (2)(3)を数回繰り返す
キャットアンドカウは呼吸と連動させてゆっくり背骨を動かすことで、背中や腰まわりの筋肉をほぐします。自律神経を整える効果も期待できます。背中を動かすことに集中しすぎるとフォームが崩れやすいので、肩やお尻の位置が変わらないように注意しましょう。
ダウンドッグ
- 四つん這いになる。足は腰幅に開いてつま先を立てる。肩の真下に手首を置いて、手のひらで床をしっかり押す
- 息を吐きながらお尻を天井へ高く突き上げる。肩と耳の距離を遠ざけて首を長く保つ
- その場で息を吐く
- 3呼吸キープする
腰痛の解消・予防には、腰だけでなく下半身の筋肉をほぐすのも効果的です。目線は足の指先に向け、もも裏の伸びを感じられるところでポーズをキープしましょう。ポイントは頭からお尻まで一直線に保つことです。背中が丸まってしまう場合は、ひざを曲げて、背中が丸まらないことを優先しましょう。
針の穴のポーズ
- 仰向けに寝て、両ひざを立てる
- 右足のくるぶしあたりを左脚にのせる
- 左脚のもも裏に両手を添えて、ひざを胸に引き寄せる。余裕がある場合は、もも裏ではなくすねに両手を添える
- 反対も同様に行う
針の穴のポーズは、股関節やお尻まわりの筋肉をほぐす効果が期待できるので、腰痛解消・予防に効果的なポーズのひとつです。ポイントは「リラックスして行うこと」。実践するタイミングとしては、お風呂上がりや寝る前がおすすめです。
更年期の腰痛にはヨガ×漢方薬のWアプローチ
更年期の腰痛には、ヨガに加えて漢方薬の服用もおすすめです。漢方薬は不調に根本からアプローチしてくれるので、腰痛になりにくいからだ作りにも貢献してくれます。決まった量を飲むだけなので、日常生活に取り入れやすいのがうれしいポイントです。
腰痛には、下記のような効果が期待できる漢方薬を選びましょう。
- 血流をよくして痛みやしびれを改善する
- からだを温めて筋肉をゆるめる
- 加齢による体力の衰えを補い痛みを和らげる
- 自律神経を整える
腰痛におすすめの漢方薬
牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
主に下半身を温めて、冷えによる痛みやしびれを取り除くことで、下肢の痛みや腰痛に用いられます。
【参考】
くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ牛車腎気丸エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=8364
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
「血(けつ)」の巡りをよくして、腰痛や肩こり、のぼせて足冷えなどの症状に用いられます。また、女性ホルモンの変動に伴ってあらわれる精神不安の緩和にも効果が認められています。
【参考】
くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ桂枝茯苓丸エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=8232
漢方薬は、自分の状態や体質にうまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。つまり、自分のからだに合ったものを選ぶことが重要なのです。
しかし、初めて購入する際はどれを選べばいいか迷いますよね。そんなときは「あんしん漢方」のようなオンライン個別相談サービスを利用するのもおすすめです。漢方に詳しい薬剤師にスマホで気軽に相談ができ、お手頃価格で自宅に郵送してくれます。
更年期の腰痛にお悩みの人へ
更年期の不調は避けては通れないかもしれません。しかし、不調の予防や軽減方法はあります。腰痛においても、今回ご紹介したヨガや漢方薬といった方法があるので、ぜひ日常生活の一部として取り入れてみてください。