自律神経と食事の関係
季節の変化にともなう自律神経の乱れと不調について、さまざまな経験に基づき、自律神経の調整と向き合い、世界的アスリートなど多くの人のメンタルサポートや企業研修などを行ってきた脳レボ代表の川谷潤太さんの解説のもと、これまでそのメカニズムや向き合い方に触れてきた。
今回は、自律神経の安定につながる食事面から紹介したい。
ビタミンB群の重要性
まずはビタミンの摂取をこころがけることを川谷さんは提唱する。
「ビタミンの中でもエネルギーの代謝を助けるビタミンB群、特にビタミンB12は血液を作りだすとともに、神経の修復作用もあり、自律神経の主成分とされています。ビタミンB1は疲労回復や脳の体質代謝の促進につながります。これらビタミンB群を意識的にとることが、自律神経のよりよい働きにもつながります」
具体的な食材は?
「たとえば玄米にはビタミンB群が白米の数倍含まれていると言われます」
ビタミンB12はアサリやシジミといった貝類、肉類(赤身肉やレバーなど)、青魚類に多く含まれる。
「豚肉はビタミンB1の量が非常に豊富な食材です。玄米と豚肉を組み合わせた食事などが自律神経の働きに効果があるのではないでしょうか」
物理的な刺激で整える方法
また、自律神経を整えたい場合には物理的な「刺激」を与えることも効果的だと川谷さんは言う。たとえば全身をさするだけでも十分だという。
「パンパンパンッって全身を軽くはたくような行動もいいかと思います。よくお相撲さんが土俵入りのときにやるような動作をイメージしてください」
川谷さんは、さらに効果的かつ簡単に交感神経に刺激を与える方法として、両手のこぶしでお尻をたたくことを推奨する。
「私はこれを『お尻パンパン』と呼んでいます。簡単にいえば自律神経と連動しエネルギーを作り出す機能がお尻に多く集まっていると言われています。そこをパンパン刺激させるわけなのです」
「骨ジャンプ」のすすめ
この「お尻パンパン」は、10秒を数セット繰り返すといいそうだ。
そしてもうひとつ、「骨ジャンプ」と呼ぶ方法を提案する。
「自分が棒になったようなイメージで直立します。そして頭の上から足の先まで振動が伝わり、骨に刺激が行き渡るように軽くジャンプします。10回ほどを1セットとします」
できれば朝起きたときにやると効果的だという。そして、「たとえば食後にリラックスする状態は、副交感神経の優位モードとなります。これを仕事モードなど、次の何かをするための気持ちに切り替えるためにも、そういったタイミングがより効果的です」とも。
季節に合った自律神経対策
こうした方法で交感神経のスイッチをコントロールすることで、季節に合わせた対策をとっていこう。さらに、ビタミンB群を意識した食事と組み合わせることで、より効率的に自分自身での自律神経のバランスコントロールが行いやすくなる。これからの本格的な冬の到来も、おそれることなく過ごしていけそうだ。