自律神経を整える基本は生活リズム
季節の変わり目に起こりやすく、冬の訪れのこの時期ももちろん例外ではない、自律神経の乱れ。
世界的に活躍するアスリートのメンタルコントロールなど、自律神経の安定で体調管理に携わる脳レボ代表の川谷潤太さんは、実際にどのようなアドバイスをしているのだろうか。
「私がいつも提案しているのは、朝ちゃんと起きて、夜になれば寝るというごく当たり前の、1日のリズムをつくることです。朝起きれば交感神経が働きはじめ、夜寝る時間には副交感神経が優位になる。それがもともとあるはずの生き物としてのリズムです」
そのサイクルがうまく作れない人が多いのではと川谷さんは指摘する。
「交感神経と副交感神経の切り替えがうまくできないまま睡眠をすることで、朝起きてもなんかスッキリしない。その延長線上でどこかぼんやりしたまま1日を過ごしてしまう。冬場はとくに寒かったり日が短くなったりしますので、睡眠時のサイクルづくりを強く意識してください」
朝と夜に意識すべきポイント
それでは、自然なサイクルを自分の体に自覚させるには、どのようなことに気をつければよいのか。
「体に『朝だよ、一日の始まりだよ』ということを教えてあげましょう」と川谷さんは言う。
「『体に◯◯を入れていく』ということを意識させてください。朝の日の光、食事、何らかの刺激…脳や自律神経に1日が始まったことを自覚する信号が送られることで交感神経が優位な状態に切り替わっていきます」
反対に、睡眠時には、1日の終わりを自覚させ、副交感神経を優位にしリラックスさせることに注力するといいという。
とはいえ、仕事のスタイルなどで朝起きて昼間に働き夜に眠るといった生活パターンを送れない人も少なくないだろう。そういった場合も、自然光でなくとも光の取り入れ方や食事、睡眠のリズムをつくることで、自律神経の働きをコントロールできるそうだ。
就寝前のリラックス法とは
川谷さんは、就寝前に「リラクセーション呼吸法」と名づける呼吸法で自律神経を整えることをすすめている。
「横になって、鼻から息をゆっくり吸って、口からゆっくり吐く。それを繰り返しながらリラックスさせていく。それが『リラクセーション呼吸法』です」
夜の時間帯での入浴も、就寝前のリラックスにつながる。
「これからの寒い季節は、入浴はさらに重要なポイントですね。できるだけ湯船にしっかりつかることで体全体も温まり、副交感神経が優位に切り替わる状態をつくりやすくなります」
刺激を避けて快適な睡眠を
就寝時に新たな刺激を与えることはNGだ。
「就寝前にスマホを見たりゲームをしたりすることは、自律神経に再び刺激を加えてしまうことにつながります。部屋の電灯も明るくつけたままでは、寝ているか起きているかよくわからない状態で睡眠に入ってしまうことになるので避けてください」
明日の朝から、意識して1日を過ごしてみよう。