季節の変わり目に起こりやすく、冬の訪れる時期も例外ではない、自律神経の乱れによる不調。
風邪などの症状に近かったり、単なる疲れだから放っておけばよくなるだろうと気付かなかったりするうちに、悪化させるようなことがないほうがいい。
自律神経の乱れの自覚方法
自律神経の乱れは果たして自覚することはできるのだろうか。
大脳生理学や心理学に精通し、世界的に活躍するアスリートのメンタルコントロールなど、自律神経の調整なども含めた体調管理に携わる教育会社・脳レボ代表の川谷潤太さんは、自律神経のバランスの乱れは睡眠・起床時に自覚しやすいと言う。
「特に寒い時期の自律神経の変化は、朝起きるのが難しくなってきたな、夜眠るときになかなか寝付けないな、そういったことで自覚することができます。そのようなことをなんとなく感じるときは、交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいっていないことが多いです」
その要因は、これまで説明したように季節の変化にともなう気圧や気温の大きな変化、ストレスや肉体的な疲労などが考えられる。
女性に多い自律神経の乱れ
「日常生活や仕事上での人間関係などによって生じるストレスも、自律神経のバランスにとって、大きなウエートを占めます」
こう説明する川谷さんのこれまでの経験上、男女差でいえば、圧倒的に女性のほうが自律神経の乱れに悩んでいる人の数は多いという。
「前提として、ホルモンバランスの変動の幅が男性より大きいことなどがあると思います。季節の変わり目、気圧や気温の変化への敏感さは、それらを感じとる『内耳センサー』とでも呼ぶべき部分が、女性のほうが敏感に反応しやすい印象を受けます」
まじめな性格の人は注意
性別とは別に、自律神経のバランスに不調をきたしやすい人の特徴はあるのだろうか。川谷さんは、「一言で言えばまじめな方、きちょうめんな方です」と言う。
「仕事も日常生活も、手が抜けないタイプの人のほうが自律神経が乱れやすいです。その一方で、『手を抜く』ことがうまいひとは、誤解を招くかもしれませんが、極端にいえばストレスがかかりにくいといえ、そのまま放置しても、悪化することなくある程度勝手に整っていく傾向があります」
生活リズムと自律神経の関係
自律神経のバランスを整えるためには、日頃の生活リズム、ルーティンも重要な要素だと川谷さんは言う。とはいえ、そのルーティンをこなさなければと縛られてしまうとそれがストレスとなり、ひいては自律神経の乱れにつながる。そのような意味からも、自分がまじめなタイプ、きちょうめんなタイプだという自覚のある読者は、ここに十分気をつけることで自律神経の安定をめざしたい。