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トイレに駆け込むのがつらい...下痢の対策に試してみたいこと

トイレに駆け込むのがつらい...下痢の対策に試してみたいこと
エイジングケア
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最近、下痢が続いていて、力が入らない感じに悩んでいます。

愛美さん(52歳)は最近、下痢に悩んでいます。
「腹痛が続いていて、いつもトイレでぐったりしてしまう」「外出中も不安が頭から離れず楽しめない」
下痢止めなどの薬が手放せない生活から脱したいと対策を探していますが、いい方法が見つからず困っているそうです。
ここでは、そんな愛美さんにぜひおすすめしたい「下痢に効果的なツボ」を紹介します。

下痢はツボ押しで対策できる⁉︎

ツボは東洋医学の考え方で、からだの中を巡る「経絡」の要所です。経絡とは人間の生命活動を支える「気」(エネルギー)の通り道のことで、この「気」が滞るとさ、まざまな不調が起きると考えられています。

そして、それぞれのツボは対応する内臓や器官が決まっています。したがって、腸に対応するツボを刺激して「気」の流れを整えると、下痢を解消する効果が期待できるのです。

科学的に未解明な部分も多いツボ押しですが、WHO(世界保健機関)もツボの存在を認めており、一定の効果が期待できるといわれています。
【参考】
第二次日本経穴委員会「『WHO Standard Acupuncture Point Locations in the Western Pacific Region』発刊記念講演会報告」

また、ツボ押しは腸の機能を高めるだけでなく、下痢の根本原因である冷えやストレスなどにもアプローチできます。下痢症状の対策方法のひとつとしてツボ押しを取り入れるのもおすすめです。

下痢におすすめツボ

以下は、下痢を抑える効果が期待できるツボです。

天枢(てんすう)

慢性的な下痢に悩んでいるときにぜひ試していただきたいツボが「天枢」です。

天枢の効果

「天枢」の深部には実際に大腸や小腸が位置するため、下痢や便秘のほか、吐き気や胃もたれなど、胃腸機能のさまざまな不調に対応します。
また、胃腸機能の低下による疲労感やだるさを解消する効果も期待できます。

ツボの位置

おへそから左右横へ指3本分のところに位置するツボです。

ツボの押し方

エネルギーを与える感覚で触れ、ゆっくり力を伝えていきましょう。
おなかから空気を吐き出すことを意識し、5秒かけて鼻から息を吸い、10秒かけて口から吐き出しましょう。また、お灸で温めるのも効果的です。

「天枢」は即効性も期待できるツボです。刺激すると、おなかの緊張がゆるんでいくのを感じられるでしょう。

裏内庭(うらないてい)

下痢の特効ツボといえば、「裏内庭」です。

裏内庭の効果

胃腸の機能を高めて、下痢や腹痛を解消する効果が期待できます。また、食べすぎたときにも役立つツボです。

ツボの位置

足の人差し指を曲げたときに、指の腹がくっついたところに位置するツボです。

ツボの押し方

お灸での刺激が適しています。火を使わないタイプなら、準備や後片付けの手間が少なく気軽にお灸ができます。
押して刺激する場合は、ツボ押し棒などで少し痛みを感じるくらい強めに押しましょう。10秒かけて息を吐きながら押し、5秒かけて息を吸いながら力を抜きます。
吐く息を長めにとることで体をリラックスさせ、おなかの過敏な反応を和らげます。

下痢の対策には漢方薬もおすすめ

下痢には、ツボと同じく東洋医学の考え方に基づく漢方薬もおすすめです。

自然由来の治療薬である漢方薬は、一般的に西洋薬よりも副作用が少ないとされています。また、根本改善が基本なので、おなかの調子に悩まない体質を目指せます。
下痢には、以下のような働きを持つ生薬を含む漢方薬を体質に合わせて選びましょう。

  • おなかを温めて腸の動きを正常化する
  • 自律神経の乱れを整えてストレスによる下痢を改善する
  • 胃腸の機能を回復する

漢方薬は毎日飲むだけなので 、忙しい人も取り入れやすい対策方法といえます。しかも、漢方薬とツボ押しは併用できます。

下痢対策におすすめの漢方薬

人参湯(にんじんとう)

おなかを温めて、下痢や腹痛を改善します。疲れやすくて手足などが冷えやすい人に。

柴苓湯(さいれいとう)

抗炎症作用とともに水分の循環を促して過剰な水分を取り除き、下痢や胃腸炎などを改善します。
漢方薬は自分に合っていなければ十分な効果が得られないばかりか、場合によっては副作用が生じることもあります。自分に合う漢方薬を見つけるためにも、服用の際は漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するのが安心です。
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ツボ押しでおなかの調子を整えよう

下痢には、ツボ押しや漢方薬などの東洋医学でのアプローチが効果的です。
ツボ押しと漢方薬はどちらも手軽に始められて、継続しやすい方法なので、ぜひ毎日のケアに取り入れてみてくださいね。

執筆者
あんしん漢方薬剤師
碇 純子
薬剤師。漢方薬生薬認定薬剤師 。理学博士、薬学修士。神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科修了。漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
執筆者
あんしん漢方ライター、医薬品登録販売者
円山 真由佳
あんしん漢方ライター。医薬品登録販売者。ドラッグストアでの医薬品・化粧品販売を経て、市販薬の使い分け方を広めるべく執筆・情報発信を行う。美容薬学・アロマテラピーの資格を保持し、インナーケアや女性の不調ケアにも精通している。