失明原因のトップ、緑内障の進行を止めるには?
40歳以上の20人に1人がかかる緑内障。日本で失明原因のトップとされるが、その進行を食い止めるにはどんな対策をすればいいのか。累計100万部以上の著書を持つ医学博士で眼科専門医の平松類さん=写真=が、『名医が教える緑内障の進行を食い止める最新ワザ』(宝島社刊、1320円)でわかりやすく説く。
セルフチェックとメカニズムの解説
本書ではまずセルフチェックで読者それぞれの状態を確認した上で、緑内障とはどのような目の病気なのかメカニズムを解説。進行を食い止め、失明を防ぐためのトレーニングや生活習慣、食事法などに進む。
また、壁などに貼って、その見え方で視覚に異常がないか初期症状をチェックできる「アムスラーチャートピンナップ」と、切り抜いて当てるだけで文章の読みにくさを解消してくれる「手作りタイポスコープ用型紙」がとじこみ付録、という実用的な構成だ。
緑内障にかかるリスクの高い人は
眼圧が上がりやすく緑内障にかかるリスクの高い人の特徴はこうだ。
- 視力のいい中高年女性
- 強い乱視
- 糖尿病の持病
- 睡眠時無呼吸症候群
- 片頭痛持ち
- 家族に緑内障
- ステロイド薬を服用
自覚症状はなくとも、これらの項目に当てはまる人は緑内障にかかっていないかどうか注意が必要だという。ほかにも、簡単にできる乱視、盲点、視野の欠け、目の位置のセルフチェックが掲載されていて、緑内障の早期発見につなげられるようになっている。
実は失明は少ない? 防ぐことも可能
日本人の失明原因のトップではあるものの、約98~99%の人は失明しない病気でもあり、「緑内障=失明ではない」という。ここで紹介される脳知覚トレーニング、ウオーキングや入浴法、目にいい食事や食材などを取り入れることが大切だ。
平松医師が語る。
「緑内障の書籍で、図解してわかりやすいものを提供したいという思いがありました。細かい内容をあえて省いてわかりやすくすることで読みやすくすることができました。自分でできることもできるだけ盛り込みました。緑内障に悩む人に、『緑内障はわかっていれば失明を防ぐことができる』ことを理解していただける本かと思います」
緑内障は、視野が欠けてきても、両目で補いながら脳内で補正されるため、自覚症状がほとんどないまま進行するという。正しく向き合い、進行を食い止めるための頼もしいガイドといえそうだ。
緑内障セルフチェックリスト
- 最近、目が疲れたり見えにくいと感じたりする
- 年齢が40歳以上
- 親や兄弟など、血縁者に緑内障の人がいる
- ストレスを抱えやすい性格だと思う
- 糖尿病や高血圧の持病がある
- 毎日、パソコンやスマホを長時間使用する
- つい目をこすってしまう
- 強度の近視を持っている
- 以前よりも視野が狭くなったと感じる
- 眼底検査を受けたことがない
※5個以上あてはまる場合は緑内障の可能性が高い。すみやかな眼科受診を(本書から抜粋)