心のバテは夏の疲れのひとつの症状
何をするにもやる気が出ない。やるべきことを後回しにしてタスクが山積—こんな方は、いませんか? また、他人の何気ない言葉にイライラして嫌な態度をとってしまったり、人と会う約束にも忙しいふりをしてしまったり…、最近、心の疲労感を感じていることはないでしょうか。夏の疲れの一つに「心のバテ症状」があります。
夏の長い間、強い紫外線に晒され、高温多湿の環境のなか生活していると体力を消耗します。加えて、室内外の寒暖差、気圧の変化、寝苦しいことによる睡眠不足、冷たい飲食物による胃腸へのダメージなどが重なると、自律神経を乱しやすくなります。それが、些細な環境の変化や他人の言葉、しぐさに敏感に反応してしまうことにつながっている可能性があります。
夏の心と体の不調は、エネルギーが消耗されることや、汗によってミネラルが消耗されたりすることも原因として考えられます。栄養バランスに気を使うことが大切です。今回は、猛暑の後のメンタルヘルス対策となる食薬習慣を紹介しましょう。
カフェインは控えめに
日本人は、世界の中でも鉄が欠乏しているといわれています。鉄不足で有名なのは立ちくらみですが、それ以外にも多くの症状に影響しています。イライラしやすくなる▽やる気が低下する▽記憶力が減退する▽情報処理速度が落ちる▽ボーッとして無気力な状態が続く—などです。
やる気が出ないとき、集中したいときにカフェインを含むコーヒーを飲む人も多いと思います。しかし、“無い元気”を無理に絞り出すと、疲れて鉄の吸収を阻害することもあります。心の状態が不安定なときは、カフェインは控えめに。
食薬としては、みそ汁の具として 青のり、シジミ、アサリ など鉄を含む食材をチョイスしてみましょう。
タンパク質を意識
メンタルを安定させるためには、ラーメンやパスタ、うどんなどの麺類、パンを中心とした食事を控えることからはじめてみましょう。糖質が多いと血糖値の乱高下を起こしやすく、腸内環境を乱します。血糖値が安定していないとイライラしたり集中力が低下したりすることがあります。
また、腸内環境が乱れると心の安定に必要なセロトニンの生成に影響を与えてしまいます。
そこで、摂っていただきたいのが脳の神経伝達物質の材料となる鉄やマグネシウム、ビタミンB群、アミノ酸などを含む肉や魚などの動物性タンパク質や豆腐、納豆などの植物性タンパク質です。これらを毎食「てのひら1つ分」摂るようにしてください。とくにオメガ3脂肪酸を含む青魚(イワシ、サバ、サンマなど)がお勧めです。
これらの食材は、キャベツやパプリカ、柑橘類などビタミンCが多い食材と一緒に取り入れることで、鉄の吸収が高まります。
さらにビタミンCは、だるくて朝からやる気がでない毎日が続いてしまう副腎疲労を抱えている方にも欠かせない栄養素でもあります。心がバテている人は、取り入れられる食材からはじめてみましょう。