健康寿命を伸ばすノウハウ、正解は?
人生100年時代、健康寿命を伸ばすためのノウハウは世の中にあふれているけれど、いったいどれが正解で、何をすればいいのか? そんな悩みや疑問に答えるべく、産業医で内科医の森勇磨氏が、100冊のベストセラー健康書を1冊の中に要約して紹介してくれるのが『予防医学で健康不安は消せる! 100年長生き』(ワニブックス刊、1650円)だ。
紹介する本は、〈心の老いを止める本〉〈自分の足で歩くための本〉〈ボケない脳を育てる本〉などテーマ別に分類。気をつけたほうがいいことを分かりやすく解説し、ベストセラー健康書の要旨を紹介しながら、読み進むとポイントがつかめる仕組み。気になるテーマだけでも拾い読みできるし、どの本を買うべきか導いてくれる親切な構成だ。
健康寿命を延ばす『メンタルケア』
たとえば第1章〈健康寿命を延ばす『メンタルケア』〉は、こんな流れだ。
「心の不調は体の不調を引き寄せる」というキャッチフレーズのような言葉にまず目を引かれる
「ストレスの正体がわかる4冊」と、4冊の要約を次の1ページで紹介。
ストレスとは何者なのか。100年健康に生きるためにはストレスを解明し、どのように向き合っていくのかということを、あらためてそれぞれの本の内容を紐解いていく。
要点を組み合わせて、分かりやすく理解が進む箇所からは、どこか学習参考書のような雰囲気も感じられる。読んでいくうちに、健康長寿と寝たきり長寿の分かれ目は、「病の芽をいかに早く摘むことができるか」だという理解が深まった。
1冊で100冊ぶんの情報をまとめて得られる
世に、あまたある健康書からどれを選べばいいのか、という悩みに、実績ある医師がセレクトして答えてくれる安心感がある。1冊で100冊ぶんの情報をまとめて得ることができるので、若者の間で流行っているタイパ(タイムパフォーマンス=時間対効果)にも叶った一冊と言えるだろう。
もちろん本書を読めばその本は読まなくても大丈夫というわけではない。興味がわいた本を入手して全文をじっくり読んでみようという気にさせてくれる。
編集を担当したヴュー企画の岡田直子さんがこう語る。
「世の中に山ほど転がる健康情報。いったい何を信じたらいいのかと迷う人も多いはずです。医師監修のもと信用に値する健康情報をギュッと集約しました。正しい情報こそ、老いに強くなる最強の武器です」
突然死を防ぐ4冊
- 『最新予防医学でここまでわかった 50歳からの病気にならない最強の食生活』(森勇磨著、主婦の友社)
- 『HEALTH RULES ヘルス・ルールズ 病気のリスクを劇的に下げる健康習慣』(津川友介著、集英社)
- 『60歳を過ぎても血管年齢30歳の名医が教える「100年心臓のつくり方』(池谷敏郎著、東洋経済新報社)
- 『ズボラでも中性脂肪とコレステロールがみるみる下がる47の方法』(岡部正著、アスコム)
※同書から