「気象病」の名前が登場したのは2018年ごろ
昔から天気が悪くなると頭痛や古傷の痛み、胃腸の不調、めまいなどで悩まされる人は多かったですが、2018年ころから「気象病」と言われるようになりました。
最近では、気候の変動に連動して頭痛などの不調を予測する体調管理アプリなども増えてきましたよね。気候変動と体調が連動することは、みなさん認識していると思います。天気が崩れそうになったときに、鎮痛剤を飲んだり、安静にしたりと、事前にある程度、予防対策できるようになったということです。
気候変動に翻弄される受け身の姿勢ではなく、自分が変化することで、近年頻繁に起こる異常気象に強い体を作っていく能動的な姿勢で行きましょう。今回は気象病の対策となる食薬習慣として、食べたほうが良い食べ物、控えたほうが良い食べ物を紹介します。
気象病になりやすい人は?
気象病について、もう少し詳しく説明します。
低気圧になると天気は下り坂になります。すると、気圧の変化を感知する内耳にあるセンサーが敏感に反応します。自律神経が乱れたり、血液中の水分が血管外へと押しだされたりします。このため、むくみや痛みの原因物質プロスタグランジンやヒスタミンなどが作り出され、さまざまな不調が引き起こされるのです。
具体的な症状としては、頭痛、めまい、肩こり、手や足のだるさ、気分の落ち込み、鼻づまり、ぜんそく、耳の閉塞感、関節痛、吐き気、手足のしびれ、動悸などがあります。今まで、原因のわからない不調があると感じていた方は、天気との関連を考えてみてください。
とくに、次のような人は気象病になりやすいです。日ごろからストレスが多い▽栄養状態が悪く自律神経が乱れやすい▽乗り物酔いしやすい▽PMS(月経前症候群)や更年期症状が強く出やすい▽耳鼻科系の器官が弱い▽水分代謝が悪い
気象病のシグナルを生活を見直すきっかけにしましょう。
気象病の対策となる食薬習慣
漢方では、気象病に対して五苓散(ごれいさん)という水分代謝を促す処方をすることが多いです。
食薬の考え方としては、水分代謝に悪影響を与えるラーメンやハンバーガー、ピザ、スナック菓子、レトルト食品など塩分が多い食材や余分な水分を体にためてしまうアルコールなどは控えめにすることが大切です。
そして、トマト、枝豆、オクラ、アボカド、キュウリ、長芋、ワカメなどカリウムの多い食材を摂りましょう。また、体内の水分バランスを整えるために不足してはいけないのがタンパク質。タンパク源である肉や魚を取り入れることが必要です。
麺類やパンなどが主体となる食事では気候の変動に弱くなってしまうということです。
小鉢がたくさんある和定食を選ぶようにしてみましょう。