気候変動が体調にも影響
ここ数年は、過ごしやすい春や秋の期間が非常に短く、天変地異に翻弄されていますよね。台風や線状降水帯、地震などいつどこで大きな災害に遭うかわからない世の中になってきました。
急な気候の変化や感染症、災害に対する不安感などが積み重なり、いつもの自分よりもちょっと体力や集中力がなかったり、感情にムラができたり、すぐに風邪をひいてしまったりと不調を感じている方も多いのではないでしょうか。
また、これからの時期、過ごしやすい気候になっても、インフルエンザ、コロナウイルス、マイコプラズマ肺炎などさまざまな感染症の流行やダニアレルギーや秋の花粉症などの時期がすぐに訪れます。いまここで、夏の疲れをリセットしないと、あれこれ気をつけるべきことが増えてしまうでしょう。
そこで、このシリーズでは、急な気候の変動に動じない食薬習慣をご紹介します。
効率的に体調を整えるステップとして、①胃腸のケア②控えるべきものチェック③心バテ対策④体バテ対策—の順番にご紹介していきます。1回目は、気候の変動対策のファーストステップとして、夏の疲れをリセットする胃腸のための食薬についてです。
夏に起こる疲れと老化
夏の間、私たちは強い紫外線やエアコンと外気の寒暖差、急な気候変動による気圧や湿度の変化などが起こる過酷な環境にいます。そんな中、実は老化や疲労の蓄積が加速していました。
長い夏の間、強い紫外線を浴びていましたが、その結果として、9月の今の時期から10月にかけて、シミやくすみ、小じわ、薄毛、抜け毛などに悩む人が増える傾向があります。私たちの肌が老化する原因の8割は紫外線による「光老化」と言われていて、加齢によるダメージより大きなボリュームを占めているからです。
また、紫外線は目に入ると脳内で活性酸素を大量に発生させます。神経細胞が酸化ストレスを受け、自律神経を乱して全身的にだるさや疲労を感じさせてしまうこともあります。
そこで、食事には抗酸化作用の高いニンジン、トマトやブロッコリー、かぼちゃなどのカラフルな野菜を頻繁に取り入れましょう。糖化することで老化を促す麺類やパン、甘い飲み物やお菓子などは控えめにしてください。
胃腸をととのえるための食薬習慣
季節の急変に動じないためには胃腸を整えることが必須です。食べたものから体は作られていますが、その食べたものをきちんと消化吸収できるかどうかが大事だからです。
夏の疲れを引きずっている場合、胃腸のケアを最優先に行いましょう。まず、揚げ物や油の多いレトルト食品、ファストフードなどを控えてください。
胃腸へ対するダメージを軽減するために、食卓に加えてほしいものがあります。大根、長芋、カブ、オクラ、コンブ、梅干しや酢の物など消化吸収を助ける食材です。これらの小鉢を少なくとも1つ加えることから始めてみてはいかがでしょうか。