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【ベストセラー健康本】大腸を改善する食べ方~『9割の人が間違っている 炭水化物の摂り方』

【ベストセラー健康本】大腸を改善する食べ方~『9割の人が間違っている 炭水化物の摂り方』
予防・健康
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炭水化物は本当に悪者なのか?

「糖質制限ダイエット」が流行してから、炭水化物を「悪者」のように扱う風潮が蔓延(まんえん)している。本当に炭水化物は悪者なのか。その疑問に答えたのが、『9割の人が間違っている 炭水化物の摂り方』(アスコム刊、1397円)だ。著者は栄養生理学、食品化学などを専門とする栄養学者の笠岡誠一氏=写真。我慢と忍耐に支配されていた食生活に、「楽しさ」を呼び戻してくれる1冊だ。

炭水化物のレジスタントスターチで腸活できる

笠岡氏は、水溶性と不溶性の食物繊維の双方の性質を兼ね備えた「レジスタントスターチ」研究者として知られる。そんな著者が本書で訴えるのは、炭水化物は悪ではないこと、そして炭水化物に含まれるレジスタントスターチを有効活用することで、より効率的な腸活ができ、結果として理想的なダイエットに結びつく—ということだ。

レジスタントスターチを日本語にすると「難消化性でんぷん」。これが大腸に行き届くことで腸内環境は良くなり、自然な排便につながるという。しかし糖質制限でご飯を抜くと、レジスタントスターチそのものが入ってこない。腸内環境は悪化し、糖質不足に起因する「集中力の低下」などの「脳の症状」に影響するのだ。

糖質オフでは筋肉が減り脂肪は減らない

糖質オフにすると痩せるよ—と反論する人もいるだろう。これがくせもの。糖質(炭水化物)を摂らないでいると栄養不足になり、体は仕方なく筋肉をエネルギーに変え、その場をしのごうとする。見た目には「痩せた」と錯覚させるのだが、筋肉だけが減り脂肪は減らない。体にとって望ましい状態ではない。

そうした誤ったダイエットはいずれ破綻するので、食事量が戻ると、筋肉は増えずに脂肪だけが増えるという負の連載に陥ってしまうのだ。

ご飯を冷ますだけでレジスタントスターチは1.5倍に

ならばどのようにして炭水化物を摂ればいいのか。その工夫を本書が明かす。一つだけヒントを紹介する。それは「冷ます」という行為だ。

ご飯を常温で1時間冷ますだけで、レジスタントスターチは1.5倍に増量する。しかも冷えたご飯をレンジでチンしても、レジスタントスターチの量はほとんど減らない。たったこれだけで腸内環境は改善に向かい、「苦しまないダイエット」が実現するという。

「ちょっとしたコツで、おいしく、なにより罪悪感なくご飯を食べられるようになるのはうれしいですね。今まで糖質制限や主食オフなどの健康法を試してもうまくいかなかった方こそ、この本で本当に正しい炭水化物の摂り方を知っていただきたいです」と語るのは、編集を担当したアスコムの入江翔子さん。

正しい知識を持つことが、健康への近道だ。

炭水化物に関する日本人の誤解

  • 炭水化物を「悪者」と考えている
  • 炭水化物とエネルギーの関係を知らない
  • 炭水化物と食物繊維の関係も知らない
  • 我慢することが健康につながると信じている
  • 脳の活動を炭水化物が支えていることを知らない
  • 「栄養バランス」を無視した食生活
  • 空腹を感じなくても「1日3食」と信じ食べる

※以上は日本人に多い炭水化物に関する誤解。当てはまる人はすぐに改善を!
 

執筆者
医療ジャーナリスト
竹中 秀二
学生時代から食品業界の専門紙でアルバイト原稿を執筆。大学卒業後は出版社に勤務し、児童向け書籍や学術誌の編集を担当。その後フリーとなり、新聞、雑誌で医療健康関連の取材を重ねる一方、医療や芸能関連書籍の企画・編集・取材・執筆を行う。