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【薬剤師監修】生理による腹痛・腰痛は「芍薬甘草湯」で軽減できる?

【薬剤師監修】生理による腹痛・腰痛は「芍薬甘草湯」で軽減できる?
エイジングケア
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「生理中の腹痛や腰痛がつらい……」というお悩みはありませんか?

生理中の腹痛や腰痛は、「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」で解決できるかもしれません。この記事では、芍薬甘草湯がどのような人に向いているのか、効能効果や副作用、使用する際の注意点について解説します。

 

芍薬甘草湯とは?


芍薬甘草湯は、体力に関わらず使用できる漢方薬です。ここでいう体力とは、症状への対抗力と考えてください。

芍薬甘草湯は、痙攣を抑える作用や筋肉の収縮を抑制する作用を持つ生薬が含まれており、こむらがえりのような筋肉の痙攣によって痛みが出る症状に効果的です。

芍薬甘草湯には、以下の2つの生薬が含まれています。

生薬一覧

芍薬(しゃくやく)

ボタン科(Paeoniaceae)のシャクヤク(Paeonia lactiflora Pallas)、またはその他近縁植物の根。
主要薬理作用:鎮痙作用、血流改善作用、鎮痛作用、子宮筋収縮抑制作用、記憶障害改善(空間認知障害に対する作用)

甘草(かんぞう)

マメ科またはその他同属植物の根およびストロン。

主要薬理作用:鎮静・鎮痙作用、鎮咳作用、抗消化性潰瘍作用、抗炎症作用、肝保護作用、抗アレルギー作用、子宮筋収縮抑制作用

芍薬甘草湯は生理に伴う腹痛、腰痛を改善 足のつりにも

芍薬甘草湯は、生理に伴う腹痛や腰痛の症状がある人にも用いられる漢方薬です。生理に伴う腹痛や腰痛の原因のひとつに、子宮筋の過度な収縮があります。筋肉の痙攣は、「気(き=エネルギー)」と「血(けつ=栄養や潤い)」が一時的に不足することで起こります。

芍薬甘草湯は、気と血を補うことで、筋肉の急な痙攣に伴う症状を鎮める作用が期待できるのです。

生理に伴う腹痛や腰痛以外にも、運動中や就寝中に足がつってしまう場合にも効果が期待できます。

芍薬甘草湯の副作用と注意点

芍薬甘草湯は副作用を発症するリスクが少ない漢方薬ですが、体質によっては以下のような症状を引き起こす場合があります。

副作用

  • 発疹
  • 発赤
  • かゆみ
  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 下痢

これらは、飲み始めてから1週間以内に起きることが多い症状です。初めて飲む際は、体調をみながら服用しましょう。少しでも異変を感じたら速やかに服用を中止し、漢方薬を持参して医師に相談してください。

また、重篤な副作用として、まれに以下のような症状が起こる場合があります。

重篤な副作用

  • 間質性肺炎
  • 偽アルドステロン症
  • うっ血性心不全、心室細動、心室頻拍
  • ミオパチー
  • 肝機能障害、黄疸

上記の重大な副作用のうち、偽アルドステロン症とミオパチーは甘草の過剰摂取が原因です。甘草を含む別の漢方薬と併用する際には、事前に医師、薬剤師または登録販売者に相談するなど、過剰摂取にならないよう注意が必要です。

また、1カ月服用しても効果が見られなかった場合には、漢方薬が体質に合っていない可能性があるため、服用を中止し、医師に相談してください。

注意点

芍薬甘草湯は体力に関わらず使用できますが、下記に当てはまる人は必ず服用前に医師、薬剤師または登録販売者に相談してください。

  • 医師の治療を受けている人
  • 妊婦または妊娠の可能性がある人
  • 高齢者
  • 過去に薬などにより発疹・発赤、かゆみなどを発症した経験がある人
  • むくみの症状がある人
  • 高血圧または腎臓病のいずれかの診断を受けた人

また、生後3カ月未満の乳児や心臓病の診断を受けた人は、服用しないよう注意してください。

漢方薬は専門家に処方してもらうのがベスト


漢方薬は、通販サイトやドラッグストアでもよく販売されています。しかし、漢方薬は体質に合ったものを服用することで体質から症状の改善を目指せる薬なので、一般の人が体質に合う漢方薬を見極めるのはとても難しいです。そのため、漢方薬を服用する際には、プロに相談して選んでもらうのが安心です。

医療機関で診てもらう以外にも、プロの医師や薬剤師が監修したAIにより、スマホひとつで簡単にあなたにピッタリの漢方薬を処方できる「あんしん漢方」というサービスもあります。「あんしん漢方」はこれまでの処方事例をAIに記憶させ、一人ひとりに合った漢方薬を導き出すサービスです。「漢方薬で今あるつらさを少しでも楽にしたい」と考えている人は、試してみてはいかがでしょうか。

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生理による腹痛や腰痛には芍薬甘草湯

芍薬甘草湯は、体力に関わらず、生理による腹痛や腰痛、その他こむらがえりなど筋肉の痙攣による症状に用いられる漢方薬です。筋肉の痙攣を抑える作用のある生薬を含んでおり、症状の緩和に働きかけます。

ただし、むくみがある人や高齢者、高血圧または腎臓病と診断された人、妊娠の可能性がある人など、一部の人は医師や薬剤師、登録販売員への相談が必要です。また、体質に合っていないと効果がみられないだけでなく、副作用を起こす可能性もあるため、プロに相談してから使用することをおすすめします。1カ月程度服用して効果がみられなかった場合にも、服用を中止し、医師や薬剤師などに相談するといいでしょう。

解説・執筆者
あんしん漢方薬剤師
碇 純子
薬剤師。漢方薬生薬認定薬剤師 。理学博士、薬学修士。神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科修了。漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。