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もう悩まない!更年期のひざの痛みを抑えるためにできること

もう悩まない!更年期のひざの痛みを抑えるためにできること
エイジングケア
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昔は感じなかったひざの痛みを感じ始めている更年期世代は多いかもしれません。ひざは日頃から体重を支えているため負荷がかかりやすく、痛みを感じる場面は多々あります。

そこで、この記事ではひざの痛みにアプローチできるセルフケアを紹介します。ただし、痛みが強い場合などは無理をせずに、医療機関を受診するなど柔軟に対応してください。

更年期にひざの痛みが起こりやすい理由


更年期にひざの痛みが起こりやすい理由のひとつは、ホルモンバランスの変化です。更年期になると、骨や関節の健康を維持するための女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が減少します。このエストロゲンは軟骨や骨密度を保つために重要なので、分泌量が減少すると関節のクッションである軟骨が劣化しやすくなってしまいます。

これにより、骨同士が直接擦れ合うことで炎症や痛みが発生しやすくなります。また、骨密度の低下によって骨が弱くなり、関節への負荷が増加するため、ひざに痛みが生じやすくなってしまうのです。

さらに、更年期は加齢によって筋力も衰えやすくなります。ひざを支える筋肉が弱くなると、ひざ関節にかかる負担が増えるだけでなく、ひざの可動域(ひざの曲げ伸ばしが可能な範囲)を狭める可能性もあります。関節の動きにズレが生じることで痛みが起こることもあるので、日ごろからからだを動かして筋肉を刺激してあげることが大切です。

【参考】
厚生労働省研究班 女性の健康推進室 ヘルスケアラボ「膝痛、腰痛(更年期に多い症状と病気)」
https://w-health.jp/climacterium_trouble/knee_pain/#

トータルリハビリステーション トリア「【骨折の後遺症】可動域制限 筋力低下 リハビリ」
https://pamco-tria.com/blog/trivia/1205/

更年期のひざの痛みに効果のあるヨガポーズ3つ


ここからは、ひざの痛みに効果が期待できるヨガポーズを3つご紹介します。家でテレビを見ながら行うことも可能なので、すき間時間を使って実践してみてください。ただし、無理は禁物です。痛みが強い場合や違和感を感じる場合は、すみやかに中断してください。

三日月のポーズ

  1. 四つん這いになる
  2. 右足を踏み出して両手の間に置く
  3. 左脚は股関節の伸びを感じられるところまで後ろにずらす
  4. 上半身を起こして、息を吸いながら両手を天井に向けて上げる
  5. 息を吐きながら重心を下げる
  6. 自然な呼吸を続けながら30秒ほどキープする
  7. 反対も同様に行う

肩の力を抜いて、前脚のひざがつま先より前に出ないように注意します。からだが安定せずにグラグラする場合は後ろの脚を外側にずらして腰幅を広くしてみましょう。

4の字のポーズ

  1. 仰向けに寝て、両ひざを立てる
  2. 右足のくるぶしあたりを左脚にのせる
  3. 左脚のもも裏に両手をあてて、ひざを胸に引き寄せる
  4. 30秒ほどキープしたら、左右の脚を入れ替えて反対も行う
  5. 股関節やお尻まわりの筋肉をほぐすことで、ひざの可動域を広げます。痛気持ちいい程度のところでポーズをキープしましょう

英雄のポーズ

  1. 両脚を肩幅より少し大きく開く
  2. 右のつま先は90度外に開き、左のつま先は正面に向ける
  3. 両腕を肩の高さに持ち上げ、右ひざを曲げる。このとき、右のひざはかかとの真上でキープします
  4. 骨盤は正面に向けたまま、首は右を向けて右手の中指を見つめる
  5. 10秒キープしたら脚を入れ替えて、反対も同様に行う
     
    通常は立ったまま行うポーズですが、ひざの痛みが気になる場合は、写真のようにいすを使用して脚への負担を軽減するのもOKです

更年期のひざの痛みにはヨガ×漢方薬のWアプローチ


ひざの痛みには、ヨガに加えて、からだの内側からのケアを手伝ってくれる漢方薬を取り入れるのもおすすめです。漢方薬はひざの痛みの原因とされる女性ホルモンの乱れや、肥満などの根本原因へアプローチしてくれます。決められた量を飲むだけなので、忙しい日常にも取り入れやすいのがメリットといえるでしょう。

ひざの痛み解消には、下記のような働きのある漢方薬を選びます。

  • 血流をよくして痛みを緩和する
  • 女性ホルモンの乱れを整える
  • 水分の循環をよくして水太りやむくみを解消する
  • 加齢による体力の衰えを補い痛みを緩和する

ひざの痛みに用いられる漢方薬

桂枝加苓朮附湯(けいしかじゅつぶとう)

血(栄養)を補い、血流をよくしてからだを温める漢方薬です。手足が冷える方の関節痛、神経痛に効果があります。

【参考】

くすりのしおり「ツムラ当帰芍薬散エキス顆粒(医療用)」一般社団法人くすりの適正使用協議会
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=8228

防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)

「変形性膝関節症」で使用されることもある代表的な漢方薬のひとつです。水分代謝を上げるため、肥満に伴う関節の腫れや痛みや、むくみ、水太りに効果があります。

【参考】

くすりのしおり「ツムラ防已黄耆湯エキス顆粒(医療用)」一般社団法人くすりの適正使用協議会
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=7951


漢方薬は、自分の状態や体質にうまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。つまり、自分のからだに合ったものを選ぶのが重要なのです。

しかし、初めて購入する際はどれを選べばいいか迷いますよね。そんなときは「あんしん漢方」のようなオンライン個別相談サービスを利用するのもおすすめです。漢方に詳しい薬剤師にスマホで気軽に相談ができ、お手頃価格で自宅に郵送してくれます。

 

セルフケアで、つらいひざの痛みを解消しよう

この記事では、家でできるひざの痛み解消方法についてご紹介しました。更年期は何かと不調が出やすい時期です。ひざの痛みはセルフケアで解消できることもあるので、ヨガや漢方薬など自分に合った方法を見つけてください。
 

解説・執筆者
ヨガインストラクター
高橋 かなこ
RYT200(全米ヨガアライアンス認定)修了インストラクターとして、2021年からオンラインを中心に幅広い年齢層へのヨガレッスンを担当。企業での事務経験や自身のダイエット成功経験から、デスクワークで疲れた部位や崩れた姿勢のためのレッスン、美しい体を作るため食の大切さや思考について精力的に情報発信を行っている。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行っている。