不調に応じたツボを押して体質改善
頭痛や肩こり、便秘、むくみ、更年期…さまざまな身体の不調・変調を、年齢や疲れのせいなどとほったらかしにしていないだろうか。
東洋医学では「病気にならないように予防する」という「未病」の視点から、不調に応じたツボを押すことで、体質改善につなげていく。年間5000件以上の健康相談を受ける漢方コンサルタントの櫻井大典さん=写真=と、鍼灸師で漢方家の中神洋和さんの2人が、わかりやすく導いてくれるのが著書『自律神経もととのう漢方ツボ押し大全』(KADOKAWA刊、1760円)だ。
インフルエンサーの2人がツボの場所・名称・押し方を伝授
2人は、SNSで合計22万フォロワーを有するインフルエンサー。
本書では、「陰と陽」、生きるために必要な機能「五臓」、健康維持に欠かせない3つの要素「気」「血」「水」など、東洋医学の基本を説く。その上で、それぞれの症状と有効なツボの場所と名称、押し方が解説されていく。気になる項目のページだけピックアップしてツボ押しを実践するだけでも役立つ構成だ。
肩こり・首こりに効くツボは?
たとえば「肩こり・首こり」の項目。
肩・首は頭と体をつなぐ中継地点で、ドロドロになって熱をもった血が全身から集まってくる場所である。
そこで、〈首の付け根と肩先の骨をつないだ真ん中あたりの「肩井」というツボを筋肉の下に差し込むイメージで指を押し込み、指を左右に揺らしながら3分ほど押す〉と指南。また、首こり・肩こりの原因はストレスによることも多いため、リラックスすることも心がけたい、と説く。
実践+東洋医学の知識も
それぞれ不調の原因とツボ、その押し方が、簡単に理解でき、すぐ実践できる内容だ。
間に挟まれるコラムも、興味深く、別の角度から東洋医学や体の不調について読んで学ぶことができる。
櫻井さんは、本書を送り出すにあたったきっかけについて、「日々の漢方相談を通じて、多くの方が忙しさからかご自身の体に目を向ける余裕がなく、体調についてあまり気遣えていないと感じています」と語る。
睡眠や散歩、入浴の重要性も
その上で、「たとえば、お腹の痛み一つとっても、その原因や経緯をすぐに思い出せない人が多いです。この本は、そうした忙しい方にも体からのメッセージを少しでも受け取ってほしいと願って作りました」としている。
本書ではツボを押すだけでなく、睡眠や散歩、入浴などの重要性も漢方的視点から教えてくれている。日々の生活とツボ押しで、「なんかダルい」を解消していきたい。
漢方薬を処方してもらえる場所って?
おもに以下の2つの場所で相談や処方が可能だ
【漢方専門医のいる病院】
西洋医学の免許とともに東洋医学(漢方)の知識を持ち、漢方専門医の看板を掲げる病院。処方される薬は基本的に保険適用となる
【漢方専門薬局・薬店】
漢方に詳しい薬剤師や登録販売者が常駐、漢方薬からサプリメントまで取り扱う。漢方専門医からの処方箋をもとに症状に合わせた特別なせんじ薬を作ることもある(保険適用外)
※本書から要約