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消臭の専門家が教える家のニオイを「消す」方法

消臭の専門家が教える家のニオイを「消す」方法
コラム・体験記
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高温多湿が特徴の日本の夏。生活面でもさまざまなニオイが気になる季節だ。ところが、家の中は意外にニオイに気づかないことも多いという。専門家に対策を聞いた。

気になる住宅の「ニオイ」

「スメハラ」などという言葉が流行るいま、多くの人はニオイに対して敏感になっている。衣服や身体のニオイだけでなく、近年では「家の中」のニオイが気になる人も増えているようだ。

「海外ではあまり家の中のニオイが問題になることはないようですが、日本では家の広さや気候などの条件で意識する人が多くなってきたようですね」

こう話すのは、「消臭」という言葉を初めて使ったとされるハル・インダストリ=別項=の望月幸之介・研究室室長代理(29)=写真。

もともと日本は木造住宅が多かったが、集合住宅や建材の多様化などで密閉性が高まり、ニオイがこもりやすくなってきたことも一因。これに近年の“清潔志向”が拍車をかけた面もあるようだ。

脱臭ではなく「消臭」

部屋のニオイ対策は基本的には「まめに清掃する」「換気を十分にとる」などがあるが、部分的に見落としがちな項目もある。「部屋別」のニオイ対策について同社に聞いた。

つまり、ニオイ対策は「発生させないこと」と「隠すのではなく消すこと」が重要。具体的には“部屋の空間消臭”を実現することだ。

「もともとニオイ対策は成分を活性炭などに吸着させる『脱臭』や、芳香剤で『隠す』方法が多かったのですが、『消す』という発想でチャレンジしたのが当社社長の松浦令一だったのです」(望月氏)

同社の所在地である静岡県は水産加工業が盛んで、公害に対する世論が高まっていた昭和40~50年代頃には、工場からの悪臭が問題視された。その対応のため、松浦社長は試行錯誤の末、1983(昭和58)年、植物由来成分からつくる消臭剤を開発。その効果の高さを取材したマスコミ各社が「消臭」という言葉を広めたといわれている。

つまり、ニオイ対策に「消臭」という概念が生まれたのは、比較的最近のことなのだ。その後、さまざまな消臭剤が発売されている。


「身の回りのニオイ対策として『消す』ことをもっと広めていきたい」と同社は考えている。

気をつけたい嗅覚疲労

家庭のニオイ対策として、もう一つ気をつけたいのが「嗅覚疲労」だ。

人間の嗅覚は慣れやすく、さまざまなニオイも長い時間そこにいると感じなくなってしまう。これが嗅覚疲労だ。

その結果、家の中にいる家族は感じていないニオイを来訪者が感じ取り、不快な思いをするというケースがある。

対策として、特に多くの人が集まるリビングなどは無香料の消臭剤を使いたい。芳香剤では、そのニオイにも慣れて香りがきつくなる傾向がある。できるだけ無臭にするのが無難だ。消臭剤は嗅覚疲労によるさまざまな不具合を防いでくれる。

ペットやたばこのように、住人だけが当たり前になってしまったニオイもある。嗅覚をすぐにリセットしたい場合は、コーヒ―豆のニオイを嗅ぐなどの対処法もあるので、定期的に試してみるのもいいだろう。

この夏は普段の清掃(=ニオイの元を断つ)+消臭剤(=ニオイを消す)のダブルの対策で、せめて家の中だけでもさわやかに過ごしたい。

ハル・インダストリ


【設立】1983(昭和58)年
【事業内容】消臭剤の開発・製造・販売
【商品】家庭用消臭剤「エアソフィア」(スプレー、ミスト、ゲル、ビーズ)、事業所向け消臭サービス(オフィスビル、複合施設、アミューズメント施設等)
【本社】静岡市駿河区
【代表取締役】松浦令一氏
【公式オンラインショップ】https://shop.halindustry.co.jp

執筆者
「健活手帖」 編集部