【専門家監修】もう悩まない!肩こりに負けないからだの作り方

【専門家監修】もう悩まない!肩こりに負けないからだの作り方
エイジングケア
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「昔に比べて肩こりに悩むことが増えた」という人も多いのではないでしょうか。年齢を重ねるにつれ、加齢による筋力の低下などで肩こりになりやすくなります。しかし、その一方で、筋力の低下だけが原因ではない肩こりもあります。この記事では、更年期の肩こりについて深堀りしていきます。更年期特有の原因と対策方法を知って、肩こりに負けないからだを作りましょう。

 

更年期に肩こりが起こりやすい理由

更年期に肩こりが起こりやすい理由は主に、ホルモンバランスやストレス、生活習慣の変化が関連しているといわれています。更年期には、血流を促進して筋肉や関節の柔軟性を保つ女性ホルモン「エストロゲン」の分泌が急激に減少します。これにより、筋肉の硬直や血行不良が起こると、肩こりが悪化する可能性があるのです。

【参考】
公益社団法人 日本産科婦人科学会「更年期障害」
https://www.kouwakai-nakamura.jp/fujin-kounennki.html

また、更年期は心理的ストレスが増加する時期でもあります。ホルモンバランスの変化による不安感やイライラ、睡眠障害などがストレスを引き起こし、そのストレスが筋肉の緊張を生むことで肩こりが発生しやすくなります。ストレスは自律神経の乱れを引き起こし、さらなる筋肉の緊張と血行不良をもたらす悪循環を生んでしまうこともあるのです。

【参考】
医療法人社団野路菊会 みやけ内科・循環器科「肩こりと更年期」
https://miyake-naika.com/01sindan/naika-katakori/naika_katakori6.html#gsc.tab=0

更年期には、加齢に加えてライフスタイルや生活習慣の変化を伴うことも重なります。仕事や家庭の責任が増加し、運動不足や長時間のデスクワークが続くことで、筋肉のこわばりが増し、肩こりが悪化することがあります。運動不足やストレッチの欠如も肩こりの一因となります。

更年期の肩こりに効果のあるヨガポーズ3つ

更年期特有の肩こりの原因がわかったところで、次は家で簡単にできる「ヨガ」をご紹介します。肩こり解消方法のひとつは「からだを動かすこと」です。ヨガは通常のストレッチ要素に加えて「呼吸」に重きを置いています。呼吸を意識しながらからだを動かすことで、ストレッチが深まるだけでなく、精神面を整える効果も期待できます。

猫&牛のポーズ


 

  1. 四つん這いになる。肩の下に手首、脚の付け根の下にひざを置く。
  2. 息を吸いながらゆっくり背中を反らす。肩に力が入らないように注意する。
  3. 息を吐きながら背中を丸める。目線はおへそに向けて、両手でしっかり床を押す。
  4. (2)(3)を数回繰り返す。

猫伸びのポーズ

  1. 四つん這いになる。肩の下に手首を置き、足は腰幅に開いて、脚の付け根の真下にひざを置く。
  2. 両手を前へ伸ばしつつ、胸と脇を床に近づける。肩甲骨をギュッと寄せ合う。
  3. 額もしくはあごを床につけて、3呼吸程度キープする。

わしのポーズ

  1. 右ひじを左ひじの上に重ねる。
  2. ひじを曲げて両手のひらを合わせる。手のひらを合わせにくい場合は手の甲を合わせるのもOK。
  3. 息を吐きながら、両ひざを曲げて腰を落とす。
  4. 息を吸いながら、左ひざを右ひざの上に乗せる。
  5. 左足の甲を右のふくらはぎに引っ掛ける。
  6. 息を吸って背筋を伸ばし、吐きながら上半身を前に倒す。肩甲骨をグッと外に開くようなイメージで背中周りを伸ばす。
  7. 3呼吸キープする。


立って行うのが難しい場合は、イスや床に座ったまま行ってもOKです。その場合は(1)(2)(6)(7)の手順で実践しましょう。

更年期の肩こりにはヨガ×漢方薬のWアプローチ


更年期の肩こりには、ヨガに加えて漢方薬を試してみるのもおすすめです。漢方薬は自然由来の生薬で構成されており、肩こりの原因となる血行不良やストレス、過労、水分代謝の乱れなどに根本からアプローチすることができます。一般的に西洋薬よりも副作用が少ないといわれており、決められた量を飲むだけなので忙しい毎日にも取り入れやすいのが嬉しいポイントです。

肩こりの解消には、下記のような作用の生薬を含む漢方薬から選びましょう。

  • 血流をよくして肩の筋肉をゆるめる
  • 肩の筋肉に栄養や酸素を届けて疲労を軽減する
  • 水分の循環をよくして老廃物や疲労物質を排出する
  • からだを温めて筋肉をゆるめる
  • 自律神経のバランスを整え、ストレスが原因の首や肩のこりを軽減する

肩こり解消におすすめの漢方薬

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

「血(けつ)」と「水」の巡りをよくして、肩こりや頭重を和らげ、冷えを改善します。からだが疲れやすい人におすすめです。

【参考】
くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ当帰芍薬散エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=8228

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

滞った「血」の巡りをよくする代表的な漢方薬で、血流をよくして肩こり解消に期待ができます。比較的体力のある人に用いられます。

【参考】
くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ桂枝茯苓丸エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=8232


漢方薬は、自分の状態や体質にうまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。つまり、自分のからだに合ったものを選ぶのが重要なのです。

しかし、初めて購入する際はどれを選べばいいか迷いますよね。そんなときは「あんしん漢方」のようなオンライン個別相談サービスを利用するのもおすすめです。漢方に詳しい薬剤師にスマホで気軽に相談ができ、お手頃価格で自宅に郵送してくれます。

 

つらい肩こり解消のために


肩こりに悩んでいる人は少なくありません。ただの肩こりと思っていても、症状が重くなると日常生活に支障をきたす場合があります。そのため、肩こりが少しでも気になる人は、今回ご紹介したヨガや漢方薬など、肩こり解消・対策方法を日常的に取り入れていきましょう。ただし、肩の違和感が強い場合や痛みがひどい場合は、すみやかに医療機関を受診してください。
 

解説・執筆者
ヨガインストラクター
高橋 かなこ
RYT200(全米ヨガアライアンス認定)修了インストラクターとして、2021年からオンラインを中心に幅広い年齢層へのヨガレッスンを担当。企業での事務経験や自身のダイエット成功経験から、デスクワークで疲れた部位や崩れた姿勢のためのレッスン、美しい体を作るため食の大切さや思考について精力的に情報発信を行っている。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行っている。