35年間のダイエット指導経験
なかなか思うままにならないダイエット。大リーガー、菊池雄星投手のトレーニング指導なども行うトレーナーで運動生理学士、健康運動指導士である清水忍さん=写真=が、35年のダイエット指導経験からアプローチするのが、『ロジカルダイエット 3か月で「勝手に痩せる体」になる』(幻冬舎新書、990円)だ。3カ月かけて「痩せる体」「太らない体」をつくる方法を論理的にに解説する。
「勝手に痩せる」とは?
タイトルにある「勝手に痩せる体」とは、なんとも魅惑的な響き。だが、本書で提案されるダイエットは「最短で痩せたい人には向かない」と、清水さんは冒頭で断言する。短期間のダイエットは、脳と体が元の太った状態のほうが居心地がいいと感じ、戻ろうとするためリバウンドしてしまうのだという。
清水さんは自身のダイエット法を方程式になぞらえる。運動するだけでは痩せない、食事のコントロールだけでは健康的に痩せない、その「なぜ?」を紐解きながら、正しく理解し実践することで合理的に「解」に導く方法を説く。
過去のダイエット法の欠点、失敗理由も明らかに
りんごダイエット、プチ断食、炭水化物抜きダイエット、ルームランナー、リンパマッサージ、宿便解消ダイエット…といった過去に流行したダイエット法を解説するとともに、それぞれの理屈や欠点を、カテゴリー別に系統だて、論理的に検証していくのも痛快。失敗の理由を知ることが、その先の成功につながるという。
体脂肪が落ちることが「痩せる」こと
そもそも「痩せる」とはどういうことなのか。体重が減ることなのか、体脂肪が落ちることなのか、体が引き締まることなのか。
著者は、体脂肪が落ちることを「痩せる」と位置づける。体が心地よい状態に戻ろうとしないよう、時間をかけて脳と体に教え込むのが清水さんのメソッド。ロジカルダイエットは明快で、デスクワーク中心などあまり動かない人は、1日に食べていいカロリー量を、「34×なりたい体重」を目安と位置づける(活動量が多い人は38、48などを基準に)。
1日に食べていいカロリー量は「34×なりたい体重」
たとえば68キロが目標の場合は34×68=2312キロカロリーが目安。カロリー表示があるコンビニの食品などで、まず食べていい量を把握するのもいいそうだ。
清水さんはこう語る。
「運動はダイエットに必要ですが、運動では痩せません。ダイエットを論理的(ロジカル)に突き詰めれば、筋トレも有酸素運動も痩せる効果は期待できず、食事を管理するのがもっとも合理的だとわかるのです。インスタントなダイエットに踊らされる時代は終わりました。人生100年時代を健康な体で生き抜くために、一生ものの“痩せ習慣”を本書でぜひ手に入れていただきたいです」
急がず時間をかけて痩せる体を手に入れたい。
必要な筋トレは3つだけ!
【腕立てふせ】
頭からお尻までのラインを一直線にした姿勢で上げ下げ。10回を最初は1セット、慣れたら2~3セット
【腹筋トレ】
膝を曲げて足を上げたまま、頭から背中のラインを一直線に起こしていく。はじめは20回1セット、慣れたら2~3セット
【スクワット】
体をまっすぐ下に落とし、垂直に押し上げるように。かかとはしっかり地面に押し付ける。20回を最初は1セット、慣れたら2~3セット
※本書から抜粋