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【ベストセラー健康本】『すぐできる10秒ねこ背ストレッチ』

【ベストセラー健康本】『すぐできる10秒ねこ背ストレッチ』
予防・健康
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ねこ背・姿勢矯正の専門家が提唱

ねこ背矯正や姿勢矯正の専門家として3万人以上の患者に向き合ってきた、宮前まちの整骨院代表で猫背矯正マイスターの小林篤史さん=写真。経験を生かして家事の合間やテレビを見ながら行う簡単なストレッチでねこ背を解消する方法を具体的に提唱するのが著書『すぐできる10秒ねこ背ストレッチ』(かんき出版刊、1650円)だ。

本書は2017年に評判を呼んだ『ねこ背は10秒で治せる!』を改訂した。この間、スマホなどのデジタルデバイスがさらに身近となり、コロナ禍を経て、リモートワークも定着した。首や背中への負担がいっそう大きくなり、中高年ばかりでなく若年層も筋力が低下、改善へのニーズが高まっている。

ねこ背の一番の要因は「骨盤」

そもそも「ねこ背」とはどういう状態を指すのだろうか。その名の通り、猫のように背中が丸まった状態だが、それはねこ背のほうが楽だからという理由であることが多い。だが、楽であることと体に負担をかけないことは同じではない。

小林さんは、ねこ背の原因となる一番の要因は「骨盤にある」と指摘する。上半身を支える大切な部位・骨盤と、それを支える筋肉。その役割を知ることからねこ背になってしまうメカニズムを知り、どう対処すればいいかが、読み進めるうちに理解できる構成だ。

ねこ背の4つのタイプ

本書では、ねこ背を次の4タイプに分類する。

  1. 円背型ねこ背:背中が全体的に丸まっているタイプ
  2. 前肩型ねこ背:肩が前方に出ているタイプ
  3. 顔出し型ねこ背:顔が前方に出ているタイプ
  4. 首なし型ねこ背:首が見えづらくなっているタイプ

 自分がどのタイプに当てはまるかを、チェックしよう。そのうえで、タイプ別に適したストレッチが分かりやすいイラストとともに解説されている。

正しい1回のストレッチで「良くなる」

たった10秒でねこ背が解消されるのか、疑問に持つ人もいるだろう。著者は、ストレッチを正しく行えば、たった1回でもよくなると主張する。1回10秒、これをじっくり行うことで、形状記憶のようにすぐに戻ろうとするねこ背から、正しい動きを脳に認識させる。悪くなったらまた正しく直す。その繰り返しこそが重要だという。

編集担当者はこう語る。「ストレッチの時間は、ご自身の体を労わる時間です。『たった10秒?』と思うかもしれませんが、試しに10秒間、スマホやPCの画面から目を離して体を伸ばしてみてください。体の緊張がほぐれて、想像以上にスッキリするはずです。背すじが伸びると、いつもより目線が上がって前向きな気持ちにもなります。ぜひ本書で効果を実感してください」

取り戻した正しい姿勢は、さまざまな健康効果につながるはずだ。

タイプ別おすすめ ねこ背ストレッチ

  1. 円背型ねこ背→「胸骨持ち上げ」…胸の中央にペンや割り箸などを縦に片手で置き、息を深く吸い胸を広げ10秒キープ
  2. 前肩型ねこ背→「肩回し」…両肩を大きな円を描くようにゆっくり10秒まわす
  3. 顔出し型ねこ背→「顔引っ込め」…思いきり前に顔を突き出し、ゆっくり10秒かけて正しい位置へ戻す

※3つのタイプを併せ持つ首なし型ねこ背は、それぞれのタイプのストレッチを取り入れる。
(本書から抜粋)

執筆者
ジャーナリスト
田幸 和歌子
医療ジャーナリスト。1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経て、フリーランスのライターに。「週刊アサヒ芸能」で健康・医療関連のコラム「診察室のツボ」を連載中。『文藝春秋スーパードクターに教わる最新治療2023』での取材・執筆や、健康雑誌、女性誌などで女性の身体にまつわる記事を多数執筆。