40代以降は、基礎代謝が少しずつ落ちてきて、皮下脂肪や内臓脂肪が気になってきます。これに関連して、健康管理のうえで重要なのはコレステロールのコントロール。しかし、実際どうすればいいのかわからない人も多いのではないでしょうか。
ここでは、コレステロールの基礎知識から中性脂肪との関係、コレステロールコントロールに重要な「オメガ3」の情報も交えて詳しく解説します。
コレステロールのコントロールとは?
まずは、コレステロールに関する基本的なことを紹介しましょう。
コレステロールが高いと困る理由
実は、「コレステロール=悪」ではありません。コレステロールには皮膚や髪の健康を維持し、細胞膜や脂肪、ホルモンの消化吸収に関わる胆汁酸の材料になるなどの役割があります。
しかし、コレステロールが血中で増えすぎると動脈硬化の原因になり、血管が徐々に狭くなります。さらに、心筋梗塞や脳梗塞など、命に関わる重大な病気を引き起こす原因にもなります。
コレステロールには悪玉の「LDL」、善玉の「HDL」があり、このバランスが崩れることで脂質異常症などの病気の原因になります。
重大な疾患を防ぐために、まずはコレステロール値をコントロールすることこそが健康管理の要となります。
コレステロールの正常値とは?
コレステロール値の適正域は、総コレステロールが「220mg/dl未満」、LDLコレステロール値が「140mg/dl未満」です。
総コレステロールは「220~239mg/dl」が境界域、「240mg/dl以上」になると高コレステロール血症。LDLコレステロール値は「140~159mg/dl」が境界域で、「160mg/dl以上」になると高コレステロール血症と診断されます。
脂質異常症の専門は循環器内科や血管外科ですが、コレステロール値が気になる場合は、まずは一般内科を受診すれば大丈夫です。
コレステロールコントロールには中性脂肪が重要
中性脂肪は、コレステロールと同じく脂質異常症の原因です。また、コレステロールをコントロールするには、中性脂肪がキーとなります。
続いては、中性脂肪の値の読み方と、中性脂肪を減らす方法について解説します。
中性脂肪の値に注目する
中性脂肪は「トリグリセライド(TG)」とも呼ばれます。中性脂肪の正常値は、30~149mg/dlです。この値が、空腹時に150mg/dl以上、非空腹時に175mg/dl以上だと、「高トリグリセライド血症」です。
中性脂肪を減らす
中性脂肪が増える原因としては、まず「アルコール」が挙げられます。過剰摂取はもちろん、油もののおつまみをつい食べすぎることも禁物です。
次に、「ストレス」です。過剰なストレスを受けると、インスリンのはたらきが低下し、中性脂肪値にも影響が出ます。また、ストレスをためこんでさらに食べてしまうやけ食いにも気をつけましょう。
そして、「加齢変化」です。10代女性の基礎代謝量のピークは1410kcalですが、40代女性の基礎代謝量は1150kcalまで落ちます。若い頃の感覚で普通に食べていると、それだけで太りやすいのです。
オメガ3(アマニ油)摂取のポイント
次に、コレステロールのコントロールにおすすめのオメガ3について解説します。オメガ3系の不飽和脂肪酸は、脂肪細胞の燃焼効率をアップさせるはたらきがあり、注目されています。摂取のポイントを見ていきましょう。
食事からの摂取を心がける
オメガ3は、基本的には食事から摂取しましょう。オメガ3はアマニ油をはじめ、エゴマ油、サケやマグロなどの脂肪の多い魚、カニや牡蠣などの甲殻類に多く含まれています。
アマニ油やエゴマ油はどんな料理にも合います。サラダにかけたり、味噌汁や納豆に混ぜたり、アイスクリームのソースにするのもおすすめです。
中性脂肪を減らすサプリメントの適切な摂取
食事で摂取しきれなかったオメガ3を、サプリメントで補助的に摂取するのもおすすめです。サプリメントで摂取する場合、栄養素の重複には気をつけましょう。とくにマルチビタミンなど、複数の栄養素が入っているサプリメントの摂りすぎには注意してください。
中性脂肪を下げる際に相性のよい栄養素を摂取する
オメガ3と一緒に摂取したい栄養素は、まずビタミンEです。抗酸化作用があるだけでなく、LDLコレステロール値を下げる作用もあります。また、中性脂肪を減らす作用のあるポリフェノールもおすすめ。ポリフェノールは赤ワイン、緑茶、ウーロン茶などに含まれます。
オメガ3の1日あたりの目安摂取量は、厚生労働省「日本人の食事摂取基準」によると、1.6グラムです。この基準値を意識して、摂取しすぎには気をつけましょう。
中性脂肪対策には漢方薬もおすすめ
中性脂肪を減らすには、漢方薬という手段もあります。漢方薬は植物や鉱物など自然由来の生薬を使用していて、一般的に西洋薬よりも副作用のリスクが低いといわれています。
また、漢方薬は脂肪や老廃物の排出だけでなく、中性脂肪を増やしにくい体質を目指せるのが特徴です。
中性脂肪が気になる場合、「基礎代謝を上げ、脂肪や糖の消費量を増やす」「脂質代謝を高める」「老廃物や脂肪を排出する」「自律神経のバランスを整え、ストレス過食を防ぐ」といった作用がある漢方薬を選び、根本改善を目指します。
中性脂肪が気になる人におすすめの漢方薬
防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
血流や水分代謝を促して、体内にたまった不要物を便とともに排出します。また、脂肪代謝を促しておなか周りの脂肪を分解・燃焼するほか、脂質の吸収を抑制します。
大柴胡湯(だいさいことう)
胸部(胆のう、膵臓、肝臓)の熱を取り除き、はたらきを整えることで脂肪代謝を促します。
漢方薬は体質との相性が重要です。適さない漢方薬を使用しても本来の効果が出ず、思わぬ副作用が起こる可能性もあります。漢方薬の選択は、医師や薬剤師などの専門家に任せましょう。
気軽に漢方薬を使いたい人には、スマホやパソコンで簡単に利用できる「あんしん漢方」もおすすめ。あんしん漢方は、体質診断から漢方薬の処方まで、すべてオンラインで完結できる画期的なサービスです。
人それぞれの体質に合わせたオーダーメイド漢方薬で、からだの不調の根本改善を目指せます。また、困ったことがあればいつでも相談でき、アフターフォローも充実しています。
オメガ3で賢くコレステロールをコントロール
コレステロールのコントロールは、中性脂肪を意識することが大事です。オメガ3は気軽に摂取できるうえ、脂肪細胞の燃焼効率アップが期待できます。賢く使いこなして、40代からの体型管理を行っていきましょう。
参考サイト
一般社団法人 日本健康倶楽部「コレステロール値」
https://www.kenkou-club.or.jp/check_mikata06.jsp
大正製薬製品情報サイト「中性脂肪とは? 体の中での働きや基準値を知っておこう」
https://brand.taisho.co.jp/contents/livita/562/
e-ヘルスネット(厚生労働省)「加齢とエネルギー代謝」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-02-004.html
大塚製薬「ビタミンE|栄養素カレッジ」
https://www.otsuka.co.jp/college/nutrients/vitamin-e.html
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf