50代男性の脳卒中危険因子は「一人暮らし」
50代の男性における脳卒中の危険因子は、一人暮らしということをご存じでしょうか。料理、掃除などができない人が多いため、外食中心の生活で睡眠時間も不十分となり、不健全な生活を招いて、脳卒中に。最終的には死に追いやるのです。
最も必要なことは、自分で料理をし、運動をする習慣をつけ、睡眠時間を十分に確保することです。しかし、そんなことは誰に言われなくても分かっていることで、できないからこそ不健全な生活に陥っているのです。
アルギニン、シトルリンに血流改善、メタボ予防効果
そんな男性の味方が、アルギニン、そしてアルギニンのもとになるシトルリンです。アルギニンは一酸化窒素(NO)やオルニチン回路を活性化し、筋肉活性化による持久力向上、疲労軽減、脂肪燃焼促進、そして成長ホルモン分泌を促します。アルギニンは筋肉を活性化するだけでなく、体内のNO産生を高める作用があります。
20年以上も前ですが、私は実際にアルギニンを実験動物に静脈注射して、血管内にNOが産生され、脳動脈の血流が増えるのを確認していました。人間にもNOを産生するニトログリセリンが、狭心症などの治療に用いられています。すなわち、アルギニンは、動脈硬化を防ぎ、メタボを予防し、身体に若返り効果をもたらすのです。
アルギニンの経口摂取はできない
ここで問題が一つあります。アルギニンは経口から摂取すると、ほとんど肝臓で代謝されてしまい、血管には到達しません。実験で効果があったのは、直接静脈注射をしたからです。アルギニンの代わりに、シトルリンを飲むと、シトルリンは肝臓に捕まらず、肝臓を素通りして血中に入ります。そしてシトルリンは内皮細胞内でアルギニンに転化され、NOを産生することになります。
シトルリンを含む食材はスイカだけ
また、ここにもう一つ問題があります。シトルリンを多く含む食材はスイカだけであり、食事から毎日摂取するのは不可能に近いのです。血管を拡張するという効果を出すためには、シトルリンを一日に3000ミリグラム以上摂取する必要があります。毎日スイカを、多量に食べるのは無理そうですね。アルギニンを効果的に体内に取るためには、シトルリンのサプリしかありませんね。
一酸化窒素(NO)は血管拡張や記憶にも関係
NOの発見は1987年です。長い間NOが、人体の中で有益な役割を果たしているなどということは考えられませんでした。NOは有毒物質であり、自動車の排ガスなどに含まれていて、人体にとっては有害であるという概念があまりにも強かったからです。NOは血管を拡張させるためになくてはならない物質であるばかりでなく、記憶にも関係しています。
そして、90年にNOが勃起を引き起こすメッセンジャーであることが分かりました。陰茎の神経がNOを放出すると、血管が弛緩し、勃起が起こる仕組みです。この発見をきっかけに製薬会社ファイザーがバイアグラの開発に成功し、世界中に販売を始め、2003年には20億ドル近い売り上げを達成したのです。
シトルリンのサプリメントが有効
アルギニンには身体の中に発生した有害なアンモニアを尿素にする働きもあります。これはオルニチン回路と言い、皆さんも知っていると思います。この回路がうまく動くと、筋肉の代謝はスムーズにすすみ、筋肉の疲労回復は早くなるのです。
ぜひ、みなさん、アルギニンではなく、シトルリンのサプリメント試してみてください。