腰痛や肩こりに悩まされている人は多い。その原因のほとんどは「姿勢」にあるという。姿勢改善のポイントを専門家に聞いた。
座る姿勢から改善を
ウォーキング・ヘルスケアコーチの「みのわあい。」さん=写真=は、20代でウォーキング指導の第一人者であるデューク更家さんに弟子入り。心身の健康について学び、ウォーキング理論を習得した。みのわさんの健康講演会に参加した人は10万人以上にのぼる。講演会の参加者には「中高年ビジネスマンが多い」と語る。
「中高年ビジネスマンの体の悩みで最も多いのは、やはり腰痛ですね。その原因で多く見られるのが座っているときの姿勢。特に男性に多いのですが、椅子に座っているときに膝をガバッと開いて座っている。この姿勢だと、内転筋という上半身を支える筋肉が緩んでしまい、体重の6~7割ある上半身の重さが一気に腰にのしかかってしまうんです。まずは座るときの姿勢から改善していきましょう」
どのように改善すればよいのか? みのわさんは「閉じる」重要性を語ってくれた。
「会社や電車の椅子に座るときに両方の膝を閉じて、まずは1分間座ってみてください。これは講演会でもよくやるのですが、参加した人は『めちゃくちゃ効きますね。これ』と言ってくれる。これを毎日1分間やるだけでも、簡単なトレーニングになりますよ」
「猫背」や歩くときの姿勢にも注意
「筋力が衰えてくると姿勢が悪くなって、だんだんと猫背になっていきます。猫背になると、肺が圧迫されてしまいます。肺が圧迫されると呼吸が浅くなる。呼吸が浅くなると酸素が体に入らなくなり、疲れが取れにくくなるんです。また、猫背は内臓も圧迫するので、内臓が前に出っ張ってしまう。これが出っ腹の要因です。つまり、メタボなおなかを引っ込めたいなら姿勢を正せばいいのです」
メタボ腹改善のための姿勢作りに大切なのは「背伸び」だという。
「両腕を上げて背伸びをしながら歩いてみてください。背伸びをすると、出っ張っていたお腹がグンと上の方に持ち上がります。この状態で1日100歩でいいので歩いてみましょう。背伸びしたまま外で歩くのは恥ずかしいと思うので、家のトイレに行くときなどに背伸びをしてみてください。毎日100歩で、猫背も次第に改善していくはずです」
衰えた下半身には「ヤンキー座り」が効果的
最後に、下半身の筋力をキープしてずっと健康に歩くための1分間トレーニングを教えてもらった。
「ずばり、ヤンキー座りです。これは下半身の血流を改善するのに、とても有効な姿勢なんです。ヤンキー座りも1日1分を目標に頑張ってもらえば筋力のキープに大いに役立つので、ぜひ試してみてくださいね」
運動習慣についての調査では働き盛りの人、特に男性は40~50代、女性は20~40代が他の世代に比べ著しく低い=グラフ。多忙が理由と思われるが、「1日1分」なら誰でも手軽に続けられるだろう。みのわさんの「姿勢改善トレーニング」で、健康を取り戻す第一歩を歩んでいただきたい。