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【専門家監修】夏のホットフラッシュ対策

【専門家監修】夏のホットフラッシュ対策
エイジングケア
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若いときには感じなかったからだのほてりや動悸。もしかしたら、それは更年期に起こりやすい「ホットフラッシュ」かもしれません。このホットフラッシュは、ときと場所を選ばずに突然発症してしまいます。日常的に発症する人は、仕事中や外出時はもちろん、睡眠を阻害される可能性もあるため、なかなか気が休まらないでしょう。ここでは、そんなつらい症状を少しでも和らげるための対策についてご紹介します。

更年期にホットフラッシュが起こりやすい理由


ホットフラッシュとは、からだのほてりや動悸、発汗の症状が突然あらわれる現象です。更年期にホットフラッシュが起こりやすい理由は、主に女性ホルモンの変動によるものです。

更年期に入ると、卵巣の機能が徐々に低下し、エストロゲンという女性ホルモンの分泌が減少します。このエストロゲンは、体温調整やホルモンバランスの維持に重要な役割を果たしている視床下部に作用しているため、減少すると体温を適切に調整する能力が乱れることがあります。

また、心理的な要因も無視できません。更年期はとくにストレスを感じやすいといわれています。人はストレスを感じると、脳の視床下部でストレスに対抗するためのホルモン(アドレナリンやコルチゾールなど)を分泌します。これらのホルモンは、卵巣から分泌される女性ホルモンを阻害する作用があるため、全身のホルモンバランスが乱れやすくなってしまうのです。

そのほか、運動不足や睡眠不足などの生活習慣の乱れもホットフラッシュが起こりやすくなる原因になります。このように、さまざまな要因が複雑に絡み合って更年期にホットフラッシュが起こりやすくなると考えられています。

【参考サイト】
エナ女性クリニック日本橋「ホットフラッシュの対策・予防方法を徹底解説!原因や治療方法についても詳しく紹介」
https://ena-nihonbashi.com/column/kounenki/2513/

更年期のホットフラッシュに効果のあるヨガポーズ3つ


ヨガは心とからだの両方へアプローチができるため、更年期の不調にはとくにおすすめです。今回はホットフラッシュの解消・予防という観点で、自律神経を整える効果のあるヨガポーズをご紹介します。初めてヨガをやる人も簡単にできるポーズなので、就寝前や家事の合間などに実践してみてください。

ガス抜きのポーズ

  1. 仰向けになって、両ひざを立てる
  2. その場で大きく息を吸う
  3. 息を吐きながら両ひざを胸に引き寄せて両腕で抱える

3呼吸ほどポーズをキープしたら、そのままの体勢で左右にコロンコロンと転がって背中の筋肉をほぐしましょう。布団の上ではなく、ヨガマットくらいの硬さの上で行うとほどよく凝りがほぐれて気持ちいいですよ。

脇腹を伸ばすポーズ

  1. あぐらで床に座る。背筋を伸ばして肩の力は抜く
  2. 左手を床に置き、息を吸いながら右手を上げる
  3. 息を吐きながら上半身を真横に倒して、目線は斜め上に向ける
  4. 10秒キープして、反対も同様に行う

腕を上げる肩に力が入りやすいので、首を長く保って肩の力を抜きます。心地よく脇腹を伸ばしましょう。

仰向けのがっせきのポーズ

  1. 仰向けになり、左右の足裏同士をくっつける
  2. かかとを引き寄せる。腕は横に伸ばしたり万歳したり、自分のリラックスできる場所に置く
  3. 腹式呼吸をくり返す

鼻から大きくゆっくり息を吸っておなかを膨らませ、同じく鼻からゆっくり息を吐きながらおなかをへこませます。腰が浮く場合は、太ももの下にタオルなどをはさんでみましょう。

更年期のホットフラッシュにはヨガ×漢方薬のWアプローチ


つらい更年期のホットフラッシュには、ヨガに加えて漢方薬の使用もおすすめです。漢方薬は自然由来の生薬でできており、婦人科で処方されることもあります。一般的には西洋薬より効果がマイルドで副作用も少ないといわれており、毎日決められた量を飲むだけなので、手間なく日常に取り入れられます。

ホットフラッシュには、下記のような働きのある漢方薬を選びましょう。

  • 加齢によるホルモンバランスの乱れを整える
  • 自律神経を整えてこもった熱を発散する
  • 血流をよくして寒熱のアンバランスを解消する

<ホットフラッシュにお悩みの人におすすめの漢方薬>

加味逍遙散(かみしょうようさん)

からだにこもった熱を冷ましてめぐりをよくすることで、イライラ、気分の落ち込みなど、更年期に起こりやすい精神不安の症状やのぼせに有効です。

【参考サイト】
くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ加味逍遙散エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=8230

女神散(にょしんさん)

のぼせやめまいに用いられ、更年期の不快な症状を和らげます。からだにこもった熱を冷まし、めぐりをよくします。

【参考サイト】
くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ女神散エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=8895


漢方薬は、自分の状態や体質にうまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。つまり、自分のからだに合ったものを選ぶのが重要なのです。

しかし、初めて購入する際はどれを選べばいいか迷いますよね。そんなときは「あんしん漢方」のようなオンライン個別相談サービスを利用するのもおすすめです。漢方に詳しい薬剤師にスマホで気軽に相談ができ、お手頃価格で自宅に郵送してくれます。


つらいホットフラッシュを乗り越えるために

更年期のホットフラッシュは日常生活にも影響が出る可能性があります。今回ご紹介したヨガや漢方薬などのセルフケアは、症状の緩和だけでなく予防にも効果が期待できるので、気になる人はぜひ試してみてください。


ただし、セルフケアだけで解決しない場合は婦人科の受診をおすすめします。からだの不調を「更年期だから仕方ない」と諦めてしまうのはもったいないです!  少しでも快適な生活を送れるように、日頃から自分に合ったケア方法を取り入れていきましょう。

解説・執筆者
ヨガインストラクター
高橋 かなこ
RYT200(全米ヨガアライアンス認定)修了インストラクターとして、2021年からオンラインを中心に幅広い年齢層へのヨガレッスンを担当。企業での事務経験や自身のダイエット成功経験から、デスクワークで疲れた部位や崩れた姿勢のためのレッスン、美しい体を作るため食の大切さや思考について精力的に情報発信を行っている。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行っている。