鉄が足りているか12のチェック
鉄不足を補う「鉄活」を提唱し、体調改善への治療に成果をあげてきた広島ステーションクリニック理事長の石田清隆医師。鉄が足りているかどうかが簡単な症状でわかる、次の12項目によるチェック法を提案している。
- 息切れ、動悸(どうき)
- めまい、立ちくらみ
- 頭痛が多い
- 睡眠が浅い
- 集中力がない、やる気が出ない
- うつっぽい、不安が強い
- 爪が薄く、割れやすい
- 抜け毛が多い
- 肌が乾燥する
- 朝、すっと起き上がれない
- 夕方になると疲労感に襲われる
- 冷え性
これらのうち3つ以上該当すれば鉄不足が疑われ、8つ以上だと、鉄不足の可能性が高いという。みなさんはいくつ当てはまっただろうか。
動悸や息切れ、中途覚醒は酸素と神経伝達に関する鉄不足
これらの症状を石田医師が警鐘を鳴らす鉄不足の4要素「ONCE(ワンス)」(O=酸素、N=神経伝達、C=コラーゲン、E=エネルギーの頭文字)に当てはめると、鉄不足の度合いが確認できるという。
まず「O(酸素)」。階段で3階まで上ったときに動悸や息切れがどの程度の頻度であるか。途中で休憩しないと上がれない場合は要注意だ。
つぎに「N(神経伝達)」。ここでは睡眠時の中途覚醒、つまり睡眠時に途中でどの程度起きてしまうかに注目だ。途中で目覚めることがほとんどなければ問題なし、しかし、3回以上起きてしまう場合は鉄がかなり不足した状態が疑われる。
爪割れや肌の乾燥、疲労はコラーゲンとエネルギー不足
続いて「C(コラーゲン)」の注目ポイント。爪が頻繁に割れたり変形していないか、肌や唇が乾燥してヒビが入っていないか、髪がよく抜けたりしていないか、それらの自覚症状があるときは鉄不足の可能性が高い。
最後に「E(エネルギー)」。これは疲労度によってチェックすることができる。とくに疲労症状の自覚がなければ問題なし。朝起きられなかったり夕方に休まないと動けなくなったりすることや、出勤ができないなど生活に支障をきたすレベルでの疲労感がある場合は相当深刻な鉄不足だと思われる。
血液検査でより確実に確認を
また、血液検査を受けることでわかるヘモグロビンやMCV(平均赤血球容積)、フェリチン(貯蔵鉄を反映)の数値と、先にあげた症状を組み合わせることで、より確実に鉄不足かどうかの目安を確認することができる。
さらに、自分の目を確認したときに白っぽいときには貧血の疑いが強い。先述のチェックポイントにもあるが、爪が薄かったり陥没している場合も要注意だ。
「まだ若いのに、かかとがカサカサしている人も要注意ですね」と石田医師。ただし、疲れやすいとか朝起きにくいといった症状は、貧血でなくても起こることがある。
医療機関で見逃すことも
「かつての自分もそうでしたが、医師の多くは栄養学まで習っていません。それが鉄不足によるものだと気づかれず医療機関でも鉄不足を見過ごされることもあるので注意したいところです」
チェックの結果、鉄不足が疑われる場合には、食生活や食材をより効率よく鉄を摂取できるものを取り入れるよう意識し、サプリメントなども取り入れ、効率よい鉄の摂取に取り組むことをおすすめしたい。