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【ベストセラー健康本】脂肪肝を自分で治す『肝臓の脂肪が落ちるハーバード式野菜スープ』

【ベストセラー健康本】脂肪肝を自分で治す『肝臓の脂肪が落ちるハーバード式野菜スープ』
予防・健康
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脂肪肝から肝硬変、肝がん、心筋梗塞にも

心筋梗塞やがんのリスクも高くなるなど見逃してはならない「脂肪肝」。その実態に迫り、野菜スープによる食事術を提案するのが、元米ハーバード大学医学部内科准教授の医学博士で麻布医院の髙橋弘院長=写真=による『肝臓の脂肪が落ちるハーバード式野菜スープ』(徳間書店刊、1650円)だ。

健診受診者の4人に1人以上が指摘される脂肪肝は、肝臓から中性脂肪を落とさないかぎり治らない厄介な存在である。糖質の摂りすぎが原因であることが多く、肝硬変や肝がんに進行、心筋梗塞による死につながることもある。決して甘く見てはいけない病気だ。

脂肪肝を招きやすい5つの生活習慣とは?

そのため、まずは脂肪肝になることを防ぐ習慣を身につけたい。本書によると脂肪肝を招きやすい習慣は以下の通りだ。

  1. 大食い、早食いの習慣…大量の糖質の摂取や早食いは血糖値の大幅な上昇とインスリン放出を招き、中性脂肪をため込む原因となりやすい。
  2. 間食、甘いもの好き…血糖値が安定しインスリン量も下がっているときに食べることで肥満につながる。糖類もインスリンの大量放出を招く。
  3. 野菜不足…脂肪肝が進行や悪化する。食物繊維を摂取しないと炭水化物などによる血糖値の急激な上昇が防げない。
  4. 運動不足…エネルギー消費や脂肪の燃焼により、肝臓などの中性脂肪を減らす必要がある。
  5. ストレスの多い生活…脂肪肝を悪化させる活性酸素を大幅に増加させ、不規則な食事や運動不足にもつながる。

ファイトケミカル(野菜)の力で脂肪肝と戦う

薬では治せないこうした脂肪肝の状態を改善し、活性酸素や害虫などから身を守るために植物が自ら作り出す「ファイトケミカル(野菜)」の力を活かしたのが髙橋院長が考案したスープだ。食事の最初に飲むことで効果が期待できるという。

キャベツ、タマネギ、ニンジン、カボチャという身近な4つの野菜を基本とした、さまざまなバリエーションが本書では紹介されている。何度も見返すであろうファイトケミカルスープの作り方を最初の章にオールカラーで持ってくるという構成もうれしい。

食事の最初に野菜スープを飲むと大きな力に

髙橋院長は、こう語る。

「脂肪肝になったら、食事の最初に野菜スープを飲むことから始めてみてください。脂肪肝を治す大きな力となります」

空腹時に全身の脂肪や筋肉の組織を少しずつ分解して、肝臓がそれを元に血糖を作る「糖新生」のメカニズムによってエネルギー源に変わり、脂肪が減ってゆくという。

「野菜スープの魅力は、減量に役立ち活性酸素を消去するファイトケミカルと、血糖値の急上昇を防ぐ食物繊維が豊富なこと、腸内環境の改善など多岐にわたります。作り方も簡単。減量に失敗した人も肝臓の脂肪を落とせます」

本書をガイドに、日々の食事を見直してみてはいかがだろうか。

ファイトケミカル(野菜)スープ

<材料>
 

  • キャベツ、タマネギ、ニンジン(皮付き)、カボチャ(皮付き):各100グラム
  • 水:約1リットル(野菜が隠れるくらいの量)

<作り方>

  1. 切った野菜を鍋に入れ、蓋をして強火にかける
  2. 沸騰したら弱火にし、そのまま約20分煮る
  3. 食塩などは原則としていっさい加えない。野菜の甘みとうまみで十分おいしく仕上がる(黒コショウやカレー粉、ハーブなどでアクセントを加えると食べやすくなる)

※ミキサーやブレンダーでポタージュにするのもおすすめ。本書から抜粋

執筆者
ジャーナリスト
田幸 和歌子
医療ジャーナリスト。1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経て、フリーランスのライターに。「週刊アサヒ芸能」で健康・医療関連のコラム「診察室のツボ」を連載中。『文藝春秋スーパードクターに教わる最新治療2023』での取材・執筆や、健康雑誌、女性誌などで女性の身体にまつわる記事を多数執筆。