だるさや冷えに悩む人は数百万人
本格的な春が近づいているのに、体が冷えてだるいといったことはありませんか? 厚労省の2022年「国民生活基礎調査」の有訴者数を見ると、「体がだるい」と回答した人は約448万人。「手足が冷える」と回答した人は約295万人でした。だるさや冷えに悩まされている人は多いのです。
「血液循環が悪いと冷えにつながり、運動不足の人や、女性のように体質的に筋肉量が少ないと、エネルギーを生み出す力が弱く、冷えやだるさなどを引き起こしやすいのです」
こう話すのは、千葉大学墨田漢方研究所の新井洋子鍼灸師。冷えやだるさなど未病の症状で悩む患者を救っています。
脳の働き悪化や生活習慣病にも
「循環不良になると脳への血流も悪くなり、脳の働きも悪くなります。筋肉量が少ないと、代謝が悪く生活習慣病も引き起こします。とはいえ、健康を考えてがんばりすぎると、逆効果になることがあるので注意しましょう」
厚生労働省の2022年「健康実態調査」によれば、悩みやストレスの原因として、「自分の健康状態、病気や介護」と回答した人は69%と最も割合が高くなっていました。医療機関で「病気」と診断されたこと自体が悩みやストレスとなる人もいます。
がんばりすぎて新たな不調を呼び込む
たとえば、〈食生活の見直しで、生活習慣病は改善すると聞いた。薬を飲みたくないから、厳しめの食事制限をしてハードな運動をしよう〉と、心がける人がいます。
こうした姿勢が健康に寄与すれば問題はありませんが、食生活の見直しをがんばりすぎて、腰や膝を痛めたり、体調を崩したり、心が折れたりといった、新たな不調を呼び込んでしまうことがあるのです。
急な負荷は身体に逆効果
「急な負荷は身体に逆効果です。食生活の見直しは、身体状態や日頃の運動量などを考えた上で、加減することが大切です。施術のときにそうした個別の提案で、患者さんのヘルスケアに役立てていただいています」
自分で食生活の見直しをすることが難しい場合は、専門家に相談しましょう。
「日頃からご自身に合ったセルフケアを心がけていると、未病予防にもつながります。セルフケアは、ツボも効果的なので試してみてください」
お勧めのツボは、ひざ下の「足三里(あしさんり)」と、足首の「太渓(たいけい)」。アンチエイジング効果も期待できるそうです。