体をいたわる「ゆる晩酌」を紹介
酒好きにとって、酒との付き合い方、距離感の取り方は、尽きることのない悩み。そんな読者諸兄に、「ゆる晩酌」と名付けた“体をいたわる飲み方”を指南する1冊『47歳、ゆる晩酌はじめました。』(ツレヅレハナコ著、KADOKAWA刊、1540円)を紹介する。
一篇を読み終えるたびに食べたくなる
家飲み歴27年のアラフィフ女性が、体が喜ぶ54のつまみと酒の飲み方を、力を抜いた文章でやさしく紹介するこの本。最大の特徴は、きっちりとした章立てがされていない、という点。もちろん一定の「型」はある。まず見開き2ページの短いエッセー。それに関連したメニューとレシピがいくつか。このエッセーが実にいいのだ。
力は抜いているけれど、主張すべきことはさりげなく主張し、一篇を読み終える頃には自然と取り上げられた食材が食べたくなる。その上質な文章は、著者のセンスを物語っている。
ノンアルコールビールでの楽しみ方も
血管のためにはどうだとか、筋肉を付けるためにはこうだとか、医学的見地や栄養学的視点から書かれる本の多くが読み進めるうちに疲れてくる。「勉強させられている」意識が読者の中で積み重なっていく。この本ではその心配が一切ない。どこまでも同じトーンで、押しつけがましくなく語り掛けてる。
紹介される“ゆる晩酌”は、酒を悪者扱いするのではなく、体にいいおつまみを選びながら、メリハリを付けてお酒を楽しむ晩酌だ。時にノンアルコールビールを利用したり、休肝日を設けながら、上手に酒を楽しむサイクルを提示する。
長く飲み続けるための健康的なつまみを写真とレシピで紹介
「豆腐とひき肉のふわふわレンジ蒸し」「巻かないだし巻き卵」「豚肉とピーマンのしそふりかけ炒め」「枝豆入りさつま揚げ」など、紹介されるレシピの数々はどれも簡単。それでいて写真を見るだけで作ってみたくなる。
編集を担当したKADOKAWAデジタルコンテンツ部レタスクラブ編集部の渋谷直子氏は、「家飲みも外飲みも愛する筆者がたどり着いた、長く飲み続けるための健康的なつまみと飲み方です。材料も作り方もミニマム、ほぼ100文字で作れるおつまみレシピをたっぷり掲載しています」と話す。
ゆる晩酌の実践で著者の体には“いいこと”ばかりが起きているという=別項参照。
酒を「百薬の長」にできるかどうかは飲み方次第。楽しく健康的にお酒と付き合う姿勢を身に付けてはどうだろう。
「ゆる晩酌」で著者の身に起きた変化
- 心に余裕が生まれた
- 健康診断の結果が「A」に
- 仕事がよりはかどるようになった
- 自分を振り返る時間ができた
- ちょっとやせた
- 趣味の時間ができた