アンチエイジング ストレッチ

「老けた背中」を招く悪習慣をやめましょう

「老けた背中」を招く悪習慣をやめましょう
エイジングケア
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猫背のまま筋肉が凝り固まる

世の中のオンライン化に伴いデスクワークが増えた昨今、生きようを語るはずの「背中」が老けて見えることもしばしばです。背中の筋肉は日常生活で使われにくいため、衰えやすい傾向にあるのです。今回は、老けた背中を招く、やりがちな悪習慣とその対処をお伝えます。

現代人の多くはパソコンやスマホの使用時間が増えたことで猫背のまま長時間作業するため、その状態で筋肉が凝り固まってしまうことがしばしばあります。背中が丸まった状態が続くと、おなかの表面が縮み、インナーマッスルが緩むため、ぽっこりおなかが悪化します。

肩甲骨が外に開き脇のハミ肉もつきやすく肩こりも悪化

また、肩甲骨が外側に開くことで、背中が広がって肩が前方・内側に巻き込まれ、姿勢が悪くなるばかりか、脇のハミ肉もつきやすい体質になります。また首が前に出ると重い頭を支えるために肩に負担がかかるため、僧帽筋が発達し「肩こり」が悪化します。すなわち「老けた背中」へまっしぐらなのです。

実は生活の中で背中の筋肉を十分に使うことは意外と少ないです。ものを引っ張ったり、持ち上げたりなど、腕を後ろに動かす時に使われるのですが、日常生活では手を前に出す動作のほうが圧倒的に多いのです。

悪習慣(1)「リモートワークやオンライン化に伴うPC作業と運動不足」

これは私たち医療従事者にも言えることですが、コロナ禍を経て、各所でオンライン化が進み、画面に向かう時間が増えました。さらに在宅時間が長くなったことで歩く機会も激減しました。

歩くことは全身運動なので、腕を振る時に無意識に背中の筋肉も使われているのです。働く人にとって、リモートワークや在宅業務が楽なケースもありますが、肉体的に「楽」と感じている方は、その分、体の活動(運動)が減っているといえます。週1回30分からでよいので、背中のストレットと筋トレを行いましょう。

悪習慣(2)「スマホの見過ぎ」

仕事の合間や移動時間、電車の中でスマホを見続けると、1日の大半が猫背姿勢になってしまいます。電車で座る中年男性の姿勢を見てください。目がかすむせいか、若者以上に顔が前に突き出ているのではないでしょうか。人のふり見てわがふりを直しましょう。

悪習慣(3)「重いアウター」

寒い季節は少しでも暖かい格好をしたいものです。ただし不必要に重いアウター(コートなど)が肩や背中に負担をかけ、首がすくみ、肩が凝ってしまうことがあります。

ただでさえ、冬は寒さの影響で交感神経が働きやすくなり、血行不良や老廃物の流れも滞るため筋肉が硬くなり肩こりが起こりやすくなると言われています。その上、重くずっしりしたコートを着るのは避けましょう。特にウール100%のコートは重量感がたっぷりなので要注意。軽くて暖かいといえば、ダウンコートが一番です。

もう一度、自分の背中を見つめ直しましょう

普段、意識の外にある背中だからこそ、その人らしさがにじみ出るもの。背中で「老い」を語りたくはないですよね。今一度、自分の背中を見つめ直してみましょう。

「背活」のポイント

  • 背中の筋肉は衰えやすい
  • 歩くだけでも背中は使われている
  • 肩こりが気になる男性はダウンコートで防寒を
解説・執筆者
形成外科専門医
西嶌 暁生
医学博士、形成外科専門医、MBA。1984年7月7日生まれ、富山県出身。形成外科・美容医療の専門医として、10年以上、臨床と研究に従事。2019年から恵比寿形成外科・美容クリニック副院長。著書「だから夫は35歳で嫌われる~メンズスキンケアのススメ」(光文社)が発売中。