「体の毒」内臓脂肪を減らす努力を
運動不足やストレスによる食べ過ぎで蓄積された余剰のカロリーは内臓脂肪となり、これは体の毒です。内臓にある脂肪細胞では太りすぎた場合に、抗動脈硬化作用を持つ“善玉ホルモン”のアディポネクチンが低下して、悪い作用を持つホルモンのサイトカインのみが作られるようになるのです。
脂肪をたくさん取り込んだ脂肪細胞は、細胞内小器官を圧迫して機能不全を起こし、その結果、次の段階には全身に動脈硬化性の変化を生じさせることになります。
内臓脂肪の過多は間違いなく、あなたの体にとって毒なのです。このことを踏まえて、内臓脂肪を減らす努力をしましょう。
内臓脂肪過多が5年以上続くと脂質異常、高血圧へ
そして、そのような状況が5年以上持続すると、最初は食後高血糖から糖尿病、中性脂肪の上昇から高コレステロール血症という脂質異常、高血圧などが始まるきっかけになります。
このような状況になっても、病院を訪れることに抵抗を持つ人は一定数います。男性の場合、妻や会社の健康診断で指摘されて、やっとの思いで病院やクリニックを受診するというケースも多いようです。
病院で出される薬は最近では非常に効果があり、血液検査の値や血圧は短期間内に正常になります。しかし、肝心の内臓脂肪はなかなか減りません。
内臓脂肪を減らすのは薬ではなく生活習慣
内臓脂肪を減らすためには、真剣に生活習慣を改めなくてはいけません。いわゆるメタボリックシンドローム(メタボ)の状態であって、内臓脂肪肥満に起因した糖尿病、脂質異常、高血圧自体が生活習慣病なのだということを強く認識する必要があります。
われわれの体には恒常性があり、太っている場合は太っている状態を、痩せている場合は痩せている状態を維持するように自律神経系が無意識下で働いています。ですから内臓脂肪を減らすためには生活習慣を変える必要があるのです。
ジムに行かなくても運動はできる
とはいえ、ふだん運動していない人が突然ジムに通う、毎朝ランニングをする—などと決意しても、続けるのはなかなか困難です。
また食事の量や嗜好(しこう)も、変えることは難しいものです。何しろ、ずっと長きにわたって変える必要があるのですから。ここが問題です。
運動は、ジムに行く必要はありません。通勤や仕事先ではできる限りエレベーターやエスカレーターを使用せず、階段を使い、歩くときには歩幅を大きくして足を持ち上げて股関節を動かすことです。
そして、できれば1日8000歩以上歩いてください。
玄米+調味料をできるだけ使わない食事
食事については、白米を玄米にすること。また、ソースなどの調味料をできる限り使わないようにするだけで、摂取する炭水化物は30%減ります。飲酒をした後のシメのラーメンは我慢しましょう。
「1日8000歩と玄米」を実行できれば、健康寿命は5年延びます。