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美容はいつ始めても遅くない、生活習慣や意識で体質や性格は変えられる

美容はいつ始めても遅くない、生活習慣や意識で体質や性格は変えられる
エイジングケア
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ダイエットや性格は“親譲り”ではない

「両親がぽっちゃりしているから頑張っても痩せない」と先祖のせいにしてダイエットを諦めたり、「自分の性格は親譲りだから、今さら変えられない」などと思ったことはありませんか。

しかし日々の生活の中で食事や運動、睡眠などの生活習慣や自分の言動に気を付けることで変化することはできます。環境や経験によって体質や性格を変えることは可能なのです。

環境でミツバチの“性格”は変わった

米イリノイ大学のジーン・ロビンソン教授は2009年に発表した論文で、環境が遺伝子に与える影響に関するミツバチの実験を報告しています。

同じミツバチでも気性が穏やかなイタリアミツバチと、非常に獰猛(どうもう)なアフリカナイズドミツバチ(別名キラービー)がいます。彼は孵化(ふか)したばかりのそれぞれの幼虫について、グループを入れ替える実験をしました。

その結果、キラービーの巣に移されたイタリアミツバチの幼虫は攻撃的になり、イタリアミツバチに育てられたキラービーはおとなしい性格になったのです。

生活習慣や心理的ストレスで「遺伝子のスイッチ」は切り替わる

すなわち、ミツバチの性格を温厚から獰猛になるように「遺伝子のスイッチ」が切り替わったのです。最近の研究では、生活習慣や心理的ストレス、環境汚染などによっても変化し、次世代へと遺伝することもあることが分かっています。

豪アデレード大学ロビンソン研究所のトッド・フルストンは、マウスを2つのグループに分けて10週間の間、1つのグループには高脂肪食を、もう一方には通常食を与える実験をしました。

肥満率が環境で変わり、遺伝する!?

その結果、高脂肪食グループの雄マウスの体脂肪率は20%にまで上昇しました。そして驚くことに、そのグループから生まれた雌の子供の67%で肥満率が上昇し、さらにその雌が産んだ孫世代の雄も27%で肥満が増加することがわかりました。

すなわち、高脂肪食を与えられて肥満となった父マウスの影響が、2世代にわたって伝達することが確認されたのです。あくまでマウスの実験ですか、たった10週間の食習慣の変化が生殖細胞に影響を与え、孫の代まで遺伝すると考えると、えも言われぬ不安が襲ってきますね。

当然、われわれは遺伝の影響を受けています。しかし、日々の生活習慣や意識で自分の体質や性格を変化させることはできます。美容はいつから始めても遅くないのです。

体質や性格形成のポイント

  • 体質や性格は後天的に変えることができる
  • 環境的な刺激が後天的に化学修飾を起こし、遺伝する可能性がある
  • 美容はいつから始めても遅くない
解説・執筆者
形成外科専門医
西嶌 暁生
医学博士、形成外科専門医、MBA。1984年7月7日生まれ、富山県出身。形成外科・美容医療の専門医として、10年以上、臨床と研究に従事。2019年から恵比寿形成外科・美容クリニック副院長。著書「だから夫は35歳で嫌われる~メンズスキンケアのススメ」(光文社)が発売中。