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【健活相談室】最近、何を食べてもおいしくありません

【健活相談室】最近、何を食べてもおいしくありません
コラム・体験記
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最近、何を食べてもおいしくありません

Q:最近、何を食べてもおいしくありません。以前は友人や孫たちとの会食が楽しみだったのですが、いまは「人と会うこと」は楽しいものの、「食事」がつらいのです。胃カメラでは特に異常はありませんでした。どうすればいいのでしょう。

口腔内、精神的な病気も疑いましょう

A:ある程度の年齢を重ねると、身体的な機能の衰えはある程度仕方ないこと。また若いころと比べると、日中の活動量も減少するものです。であるならば、それに見合った食事量や体重になっていくことは自然なことと言えるし、「年相応の老化現象」と考えることもできるでしょう。

状況に対する食事の量や内容が見合っていなければ、医学的には栄養が足りなくなるなど、生活に支障をきたすはずです。

ただ気を付けたいのは、食欲の減退は必ずしも胃や腸の問題にとどまらず、口腔内の病気などでも生じることがある、ということです。内科で異常が見つからないときは、耳鼻咽頭科や歯科の受診を視野に入れてもいいでしょう。

それでも異常が見つからない場合は、うつ病をはじめとする精神疾患の可能性が出てきます。自覚的なストレスがなくても、体が何らかのサインを発していることはあるものです。「心身相関」といって、心と身体はつながっています。食べないことで体が弱り、それによって心が弱っていく—という悪循環になるのです。その場合は精神科や心療内科を受診し、適切な治療を受けることが必要です。

必要な検査をして、それでも「問題なし」と判断されたなら、「しばらくは健康だ」と考え、安心して過ごしてください。

回答者:山本晴義 医師

横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長。1948年、東京生まれ。1972年、東北大学医学部卒業、同大学附属病院などを経て1998年から現職。日本医師会認定産業医、日本心療内科学会評議員。趣味はマラソン。

執筆者
「健活手帖」 編集部