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ストレス改善だけじゃない「ギャバ」の力

ストレス改善だけじゃない「ギャバ」の力
エイジングケア
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「最近ストレスがたまってしまって…」「ちょっとしたことですぐに疲れてしまう」

そんなお悩みの方におすすめしたいのが、「ギャバ」です。ギャバにはさまざまな効能があり、いま注目を集めています。

ここでは、「ギャバとは何か」から「ギャバによって期待できる効果」「効率的な摂取方法」まで、わかりやすく解説します。

ギャバとは?

ギャバは、アミノ酸の一種です。脳や脊髄などに存在し、興奮を抑える抑制性神経伝達物質としてはたらきます。

近年は、「ストレスの軽減や疲労回復が期待できる」として注目を集めるようになりました。また、ストレスや疲労以外にも数多くのメリットがあり、ギャバを使用した医薬品、機能性表示食品も増えています。

ギャバが必要な理由

ギャバは、睡眠中に体内で生成されます。しかし、睡眠不足や睡眠の質が低いなどの問題がある場合は、ギャバの生成力が低下してギャバ不足になることがあります。

ギャバが不足すると、さらに不眠を招き、それがギャバ不足につながるという悪循環に陥ってしまいます。

ギャバに含まれる栄養素

ギャバは、「γ(ガンマ)アミノ酪酸」というアミノ酸のひとつです。タンパク質を構成する20種類のアミノ酸とは異なる「非タンパク質構成アミノ酸」というタイプで、体内ではグルタミン酸から作られます。

ギャバを摂取することで得られる効果

続いては、ギャバを摂取することによる5つのメリットを紹介します。

気分を落ち着かせる効果

ギャバは興奮した神経を鎮める抑制系の神経伝達物質で、気分を安定させる抗ストレス作用があります。

神経伝達物質の関係性は、たとえるなら促進作用のあるドーパミンがアクセル、そして抑制作用のあるギャバはブレーキの役割を果たします。促進と抑制のバランスを整えるために、ギャバはとても重要です。

血圧降下作用の効果

医学的に完全に解明されているわけではないものの、ギャバには血圧降下作用があるといわれています。血管を収縮させるノルアドレナリンの分泌を抑えるはたらきがあり、血圧を下げると考えられています。

食べ過ぎ防止の効果

ギャバは内臓感覚神経の活性化を促し、脳にも作用して満腹感を増強し、食べすぎを防ぐことがマウス実験でも証明されています。どのようなメカニズムで満腹感を抑えているのかについては、詳細不明な部分があるものの、今後の研究が期待されています。

睡眠の質を高める効果

ギャバには副交感神経を優位にするはたらきがあるので、寝つきが悪い方にもおすすめです。また、深い眠りであるノンレム睡眠の割合を増やし、睡眠の質を高める効果も期待できます。

ストレス軽減

ギャバには抗ストレス作用があり、一時的、心理的ストレスの軽減が期待できます。仕事や勉強などで普段以上にストレスがかかったときに、ストレスを緩和してリラックスすることができます。

ギャバ摂取のポイント

ギャバの効果をより発揮しやすくするための3つのポイントをご紹介します。

食事からの摂取を心がける

ギャバは人間の体内で生成される以外に、食事から摂取することもできます。経口摂取の場合、内臓感覚神経に作用して満腹感を得やすいのでおすすめです。ギャバはお茶や発芽玄米、トマトやナス、納豆のような発酵食品に含まれています。

ギャバサプリメントの適切な摂取

ギャバのサプリメントは家だけでなく出先でも気軽に摂取しやすいのがメリットです。食事から摂取するのが面倒という場合でも、1日1粒で目安量を摂取できるサプリメントもあるので、手軽に毎日ギャバをとり入れることができます。

ギャバと相性のいい栄養素を摂取する

ギャバ生成に欠かせない栄養素のビタミンB6を一緒に摂取すると、効率よくギャバの効果を得られます。ビタミンB6はカツオやマグロ、鶏ささみ、バナナ、玄米などに多く含まれています。

ギャバの過剰摂取による副作用などの報告例はないものの、摂取量の目安は一般的には1日50~100mgです。目安量を大きく超える量を摂取しても意味はないので気をつけましょう。

ストレス軽減には漢方薬もおすすめ

ギャバは疲労回復やストレス軽減など、さまざまな効果が期待できますが、からだや心の不調を改善するには漢方薬もおすすめです。

漢方薬は、病気の前の「未病」という段階からアプローチを行えます。漢方薬は、崩れたからだのバランスを整えるという考え方が基本です。

たとえば、ストレスや疲労には、「神経の高ぶりを抑えて精神を安定させる」「自律神経のバランスを整える」「胃腸機能を整えて栄養を全身に届け、からだの内側からからだや心を元気にする」などのはたらきを持つ漢方薬を選択し、根本改善を目指します。

ここでは、ストレスや疲労におすすめの漢方薬をご紹介します。

ストレス軽減や疲労回復におすすめの漢方薬

桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)

「気」(エネルギー)や「血(けつ)」を補ってバランスを整えることで、精神を安定させ、イライラや不安を改善する漢方薬です。体力がなく、ストレスを感じやすい方に用いられます。

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

疲労がたまり、強い倦怠感のある方に用いられる漢方薬です。「気」を補い、食欲を高めて、疲れやだるさを改善します。

漢方薬を使ううえで大事なポイントは「体質」です。同じ症状でも体質によって適切な処方は異なるので、漢方の専門知識がないと正しい選択は行えません。医師や薬剤師など、プロの力を借りるのがベストです。

「気軽に漢方薬を使いたい」という方には、オンライン型の「あんしん漢方」というサービスもおすすめです。あんしん漢方は、体質診断から漢方薬の購入まで、すべてインターネット上で完結できる優れた漢方サービスです。

体質に適した、あなただけのオーダーメイド漢方薬を提案してくれます。もちろん、定期的な経過観察、漢方薬の変更なども行えます。初回はお得な価格で利用できるので、ぜひ試してみてください。

ギャバにはメリットがたくさん!

ギャバはストレス緩和や疲労回復だけでなく、血圧降下や睡眠の質を高めるなど、さまざまな効果が期待でき、摂取も簡単な点がメリットです。積極的に摂取して、健康的な毎日を送りましょう! 
 

解説・執筆者
医療ジャーナリスト
後藤 典子
一般社団法人日本サプリメント協会理事長。賢く選ぶ食と健康プロジェクト統括。同志社大学文学部を卒業後、編集プロダクションを経て、医療・健康ジャーナリストに。「ヘルスデザイン」をテーマに掲げ、健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス- Youtubeチャンネルでは、健康リテラシー向上のための情報を発信している。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」の統括も行う。