ダイエット 生活習慣 物価高に負けない食薬習慣

物価高に負けない食薬習慣(4)~食品ロスを防ぐことで健康も手に入る

物価高に負けない食薬習慣(4)~食品ロスを防ぐことで健康も手に入る
予防・健康
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腹7~8分目が病気予防、老化抑制に

多くのご家庭では、食べ残すほどに食材を過剰に買ってしまうことがあると思います。食品ロスが環境問題として報じられることが増えてきました。

一方、2016年にオートファジーの仕組みを解明した功績で東京工業大学の大隅良典博士がノーベル生理学・医学賞を受賞しました。オートファジーとは、細胞内部の自食作用のことで、腹7~8分目くらいに抑えたり、空腹を感じたりすることが、病気予防や老化抑制などに役立つことが広く知れ渡りました。

つまり、食材の買い過ぎ、食べ過ぎ、食べ残しは家計を圧迫して環境に良くないだけでなく、人間の持つオートファジーの機能を阻害しているかもしれないのです。

ここでは、さまざまな悪影響を及ぼす“買い込みすぎる感覚”を改め、節約と健康に役立つ食薬習慣について紹介していきます。

家庭での食品ロスを減らそう

家庭での食品ロスは、食材を買いすぎて腐らせる▽未開封のまま忘れてしまい賞味期限切れ▽料理を作りすぎて食べ残す——など、だれもが思い当たると思います。

野菜に関する知識不足もあります。食べられて、栄養が豊富であることを知らずに捨ててしまっている大根の葉、ブロッコリーの茎、さまざな野菜・果物の皮など可食部を捨てることも“ロス”です。捨てている部分には、野菜の有効成分であるファイトケミカルが多く含まれていることが多いのです。

食品ロスの防止対策として、次の3つを見直してみましょう。

  1. 家にある食材を把握する
  2. 買い物リストを作り、それ以外に衝動買いしないことで、過剰在庫を作らない
  3. 廃棄した食材を書き出し、買いすぎたものをしっかり認識する

これらを心がけるだけで、節約×健康×環境問題の3つがプラスに作用します。

よく噛んで食材を味わう

“ながら食べ”を止めて、よく噛んで1回1回の食事を大切にすることも大切です。食材を視覚的、触感的にとらえることができれば、口の中に広がる香り、味、温度感までも感覚が刺激され、もっと食事が楽しくなります。

さらに、唾液には消化を促し栄養の吸収を高めたり、抗菌作用を持つ免疫グロブリンなどが含まれていたりするため、“強い体”作りに役立ちます。そして肝心なのは、よく噛むことによって満腹中枢を刺激し、食べ過ぎを防ぐことにもつながることです。肥満患者の減量対策としても、よく噛むことが、治療に取り入れられています。

まずは、正常な食欲をもつこと。そして、仕入れと不良在庫の確認を毎月行うことで、適切な食費、食事の量をキープしましょう。健康と家計、どちらも黒字になるといいですね。

解説・執筆者
薬剤師、国際中医師
大久保 愛
食薬の第一人者、薬剤師、漢方カウンセラー、国際中医師、日本初の国際中医美容師、薬膳料理研究家、作家、アイカ製薬代表取締役。未病を治す専門家としてAI漢方・食薬相談システム『CrowdSalon』開発や『食薬アドバイザー』資格養成、商品開発、企業コンサルティングなどに携わる。著書『心がバテない食薬習慣』は発売1カ月で7万部突破のベストセラーに。著書多数。https://crowdsalon.com/。