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物価高に負けない食薬習慣(3)~買い物、アルコール…依存症を脱して浪費を止めよう

物価高に負けない食薬習慣(3)~買い物、アルコール…依存症を脱して浪費を止めよう
予防・健康
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節約が健康につながる

もうすぐ待ちにまったボーナスという方も多いでしょう。物価高の影響もあって、毎月ぎりぎりの生活を強いられ、ボーナスが右から左へと消える方もいると思います。この状態から抜け出すにはもっと稼ぐか、節約するか、しかありません。

ということで、生活習慣を見直すことで、今回は節約が健康につながるポイントをご紹介したいと思います。

気分転換時の食習慣の見直しを

段取り通りに物事が進まない、理不尽な評価をされる、時間が足りないなど、仕事や家庭の日常にはストレスの原因がたくさんあります。

そんなとき私たちの体は、意欲的になったり、幸福感を覚えてワクワクしたりするために必要なドーパミンというホルモンを欲します。買い物、ゲーム、甘いもの、お酒、あるいは、SNSをやり続けることでも分泌されます。

ヒトの脳には、欲求を満たすために目標を立て、それを達成することで、幸福を感じ、さらに大きな幸福を感じるために、行動を繰り返すという報酬系の学習サイクルがあります。

未来にプラスになるベクトルに向いていれば良いのですが、快楽を得ることが目的となり、糖質やお酒、買い物などの依存症になることがあります。この気分転換は金銭的な浪費にもつながります。

そうした場合、収支を把握して気合で節約の計画を立てるより、依存傾向にある思考回路を改善する方が、健康にも節約にもプラスになり効率が良いのです。

依存体質の改善&節約術

糖質依存やアルコール依存、買い物依存などは日々の食材と密接に関係があります。このうち、頻繁にジュースやパン、コンビニや、レジ横のお菓子、中華まん、グミ、アメや栄養ドリンクなど糖質の多いものを買う人は要注意です。

これらは、簡単に手に入り、1回当たりの単価が安く、出費として把握しづらいものです。しかし、毎日数百円、時によっては数千円と出費を小まめに繰り返すことで、月単位でかなりの浪費のボリュームになります。

何か失敗したとき、集中力が低下したとき、イライラしたときなどに食べるくせが習慣になると、自分の意識ではコントロールできなくなることがあります。血糖値の急上昇とともにドーパミンが分泌され、脳は快楽を得ることができるので、何かあるたびに再び食べたい気持ちに頭がセットされるからです。

血糖値の急上昇があると、その後の血糖値の急降下とともにドーパミンも低下し、イライラを強く感じさせるので、結局その効果はほんのわずかな時間です。そのたびに日々浪費し不調の原因を作っていてはワリに合いません。実際に糖質にハマる人が増えている影響もあって、糖尿病を患う人は、世界的にも増加傾向にあります。

まずは、食前にキャベツやモズクなどの食物繊維を摂りましょう。

酢の物や、酢を水や炭酸で割ったドリンクを飲むのもいいでしょう。

また、食後に積極的に席を立ち、あと片づけや食器洗いをすることで軽く体を動かすことも血糖コントロールの小さな積み重ねとして有効です。それが、衝動的な出費を抑えることにつながるでしょう。

解説・執筆者
薬剤師、国際中医師
大久保 愛
食薬の第一人者、薬剤師、漢方カウンセラー、国際中医師、日本初の国際中医美容師、薬膳料理研究家、作家、アイカ製薬代表取締役。未病を治す専門家としてAI漢方・食薬相談システム『CrowdSalon』開発や『食薬アドバイザー』資格養成、商品開発、企業コンサルティングなどに携わる。著書『心がバテない食薬習慣』は発売1カ月で7万部突破のベストセラーに。著書多数。https://crowdsalon.com/。