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【50歳からのエイジングケア座談会】第4回(4・完)~腸活で自身や家族の健康を取り戻す方法

【50歳からのエイジングケア座談会】第4回(4・完)~腸活で自身や家族の健康を取り戻す方法
コラム・体験記
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「健活手帖」では、50歳からの女性の「健康」と「美」を考える座談会を行っています。第4回の参加者は「腸活」を広める日本美腸協会の皆さん。元テレビ局員、エステシャン、現役看護師とそれぞれご職業は違いますが、腸活で健康を取り戻した共通の体験をもとに、自身や家族の健康、美容の維持・管理につながる「腸の大切さ」を語り合っていただきました。

【ご参加いただいたのはこの3人】

石川晶子(いしかわ・しょうこ)
55歳。日本美腸協会エグゼクティブ認定講師、関東支部長、全認定講師教育長。地方テレビ局勤務を経てエステサロン開業。体調不良をきっかけに腸活を学び、美腸アドバイザー、美腸セラピスト、講師として全国を飛び回っている。
 

 

高橋かすみ(たかはし・かすみ)
60歳。日本美腸協会認定講師、美腸セラピスト。家族の病気をきっけかに食事療法、栄養、腸の大切さを知る。茨城県土浦市の腸もみサロン代表、日本美腸協会の認定講師として、腸に関わる講座やイベント、セミナー、施術などを行っている。
 

矢田麻夏(やた・あさか)
45歳。看護師。日本美腸協会認定講師。看護学校卒業後、救命救急センターの看護師として20年以上勤務。そのうち10年間はドクターヘリのフライトナース・ドクターヘリ認定指導者としても活動。日本美腸協会認定講師、美腸セラピストの活動のほか、ポールダンサー、ボディメイクインストラクターとしても活躍している。

<司会・進行>
荒牧聡子(あらまき・さとこ)
37歳。美容アドバイザー。広告代理店、アパレルを経てIT会社を産休中。ダイエット目的で始めたパーソナルトレーニングの結果、ベストボディジャパン2021年度総合優勝を果たす。現在は子育てをしながら健康的なダイエットレシピをInstagramアカウントで配信中

食事、生活習慣、腸揉み…3つのバランスが重要

荒牧聡子:最近、乳酸菌や免疫力アップ、そして腸活が話題ですが、改めて腸活にはどんな効果があるのですか?

矢田麻夏(以下、あさかさん):運動だけ頑張ってもなかなか痩せません。私も、これ以上運動量を増やしても無理だと思い、食事のバランスをよくすること、生活習慣を整えて心の安定化をはかり自律神経を整えること、さらに腸揉みの3つを実践することで、体や心の不調がなくなりダイエット効果も得られました。このバランスは本当に大事だなと実感しています。

まずは便秘から改善

聡子:良くなったと感じた中では、何を一番実感されましたか?

あさかさん:私の場合は子供の頃からの便秘が治ったことです。4~5日に1回出ればいいかなという感じだったので、常にぽっこりと下腹部が膨らんでいました。たまに出ればいいかなと思うくらいでしたが、腸活を始めてからは毎日便が出るようになり、ぽっこりお腹が良くなったのです。運動だけでは良くならないということを実感しました。

聡子:腸活に出合って、まずは便秘が解消されたのですね。

石川晶子(以下、しょうこさん):腸活により腸が美しくなるということは、免疫、自律神経、甲状腺にも 影響があり、不調の改善につながるといわれています。

脳と腸はつながっている(脳腸相関)

聡子:メンタルまで関係してきますか?

しょうこさん:脳腸相関といわれていて、腸が健康であることで脳も健康になるといわれています。最近では性格も実は腸で決まるといわれたりしています。腸内細菌の種類やバランスで人の性格までも決まるという考えです。腸内細菌・腸内環境の相関性がすごく大事といわれていて、そういった面でも重要な臓器として注目されているのが腸です。

聡子:とても重要ですね。

日本では1000万人から1200万人が便秘で、特に20代の女性の半分以上は便秘だといわれています。この便秘の原因として、女性の食事や生活習慣、慢性的な運動不足などで腸の動きが悪いということがあると思います。

腸はリラックスしている時に動く臓器だそうです。リラックスして副交感神経が有利になっている時に、腸は動く状態になっている。時には緊張することも大事ですが、腸のためには緩んでいる状態が大事なので、私の中のテーマは“緩む”ということですね。

毎日自分の便をチェックする

聡子:かすみさんの腸活を教えてください。

高橋かすみ(以下、かすみさん):はい、例えば小さい子供の健康状態を把握するには便が一番わかりやすいですよね。実は大人も、便を日々チェックすることは大事だと思います。自分の健康状態を毎日チェックできるものが便ですから、チェックしないのはもったいないです。(健康診断などで)検査をすることも大事なのですが、セルフチェックすれば自分の健康状態を日々確認できるので、毎日できる腸活の一つだと思います。

聡子:健康診断よりもまずは便チェックが大事ということですね。

しょうこさん:便を見たらわかります。便の見方を知っていれば予防になります。

聡子:便の見方について教えてください。

かすみさん:バナナ便やトグロを巻いた便が理想的といわれています。水分が少ないとコロコロになり、逆に緩くなってくると水溶便になってくるなど両極端です、多少はどちらかに振れることはありますが、自身がどういう時にどんな便なのかを把握することが大事です。

聡子:自分の状況と便の状態を把握しておくということですね。

かすみさん:どんな食材を食べたかとか、何かストレスを抱えていなかったかとか、自分の状態を毎日チェックしていると、だんだん体調と便の関係がわかってきます。自分の振り返りにもなります。

聡子:用を足した後は、自分の便を見ることが決め手ですね。

しょうこさん:そうです。だから泡のトイレにはあまり行かないことです。便が見えないので(笑)。便は毎日違うので、毎日見ることは大事です。何を食べた時にこうなるのか、どんなストレスがかかった時にこうなるのか、といったように日々観察すると自分の傾向が分かってきます。ここが弱い、ここが強いなどが分かってきます。これはお子さんやご主人もそれぞれ違うで、この知識を持っておくと自分や家族に合う食材や習慣が見えてくると思います。

聡子:ご家族にもこのことはお話しされていますか?

かすみさん:もちろん、家族たちにも便を見るように伝えています。

しょうこさん:私は主人のことも聞きますね。最初は頑なに教えなかったですが、最近は普通に教えてくれるようになりました。

皆さん:あはははは(笑)

聡子:夫婦のいいコミュニケーションになりますね。

自分でできる美腸ストレッチ

美腸ストレッチの方法とは

聡子:自分でできる美腸ストレッチがあるそうですね? ぜひ教えてください。

あさかさん:こんな感じです。

肋骨に両手をあて胸をふくらますように5秒息を吸います
息を吐きながら10秒かけて肋骨が閉じていくように両手でおさえます

毎朝数回、ゆっくり深呼吸することで腸の動きを促進してくれる効果が期待できます。

聡子:美腸ストレッチや腸揉みはサロンで施術として行っていますか?

しょうこさん:はい、サロンで教えていますし、セルフでもできるようにしています。自分でできると、しっかりリラックスできますね。この運動を繰り返すことで、下がっていた腸が本来のあるべき位置に戻ってきます。

腸が不調だと「硬くなり下がる」

聡子:不調の腸は下がっているのですか。

しょうこさん:腸はあるべき位置にあることが大事だといわれています。腸が下がることで、圧迫されて流れも悪くなり、不調を感じたりします。そこを自分で変えることもできますし、サロンで施術して戻すこともできます。腸が硬い人はお腹全体に指が入らないんです。美腸の人はマシュマロのような状態なので、元気で美腸だと第2関節まで入りますよ。

聡子:それはお腹の脂肪の厚みではなく?

しょうこさん:それ、皆さんおっしゃいます(笑)。脂肪の厚みではないです。脂肪があったとしても、ストレスがある人は腹部が冷たくて硬いため、まったく指が入らないんです。

聡子:腹部が冷たいことがあるのですか?

しょうこさん:冷たいです。しかも、ストレスがあるとカチカチで硬くなります。

聡子:不調の時は、マッサージで指が入らないとか、腹部が冷たいなど、何かしら症状があるのですね。
しょうこさん:あります。不調の人は腹部が冷えていたり体がカチカチであったり、お腹に指が入らないため、お腹のマッサージである腸揉みがやりづらいことがあります。

日々のセルフチェックと検診で健康管理

健康な時の状態を知るためにも大切

聡子:定期検診や検査については皆さん、どのようにお考えですか?

あさかさん:医療従事者の立場からいうと健康診断は毎年、職場によって年2回あると思いますが、そういった健診は定期的にきちんと受けてほしいですね。体調が悪くなって病院に来られた時に健康な時の数値と比較できないと、医療従事者としては困ります。(健康状態が良好でも)健康診断は定期的に受けてほしいです。

聡子:現役看護師さんとして、説得力がありますね。

かすみさん:自分の体の感覚が鈍くなってきている人も多いと思います。もちろん集中して仕事に没頭しなくてはいけない時もあると思いますが、多忙すぎてそろそろやばいかな、何か不調かなという感覚があれば、限界までいかず、一度ストップして(自分の状況を)見直してもらいたいです。そうして自分の体の感覚を感じられるような日々を意識して過ごしてほしいです。

自分の体からの「サイン」に気づく

しょうこさん:自分の実体験から言うと、頑張りすぎた延長に大きな不調があるので、まずは自分が何が好きで何が楽しくて、そして何に対して一番弱さがあるかなどを把握しておくことが大事だと思います。

それを自分で知っておくと、ちょっとした違和感や体からのサインがわかってきます。私はやれる、頑張らないといけない、と思いすぎる人は、どうしても自分の感覚を無視してしまいがちになるので、自分からのサインを大切にしてほしいと思います。

もう一つおすすめなのが血液検査。私は数カ月に一度は受けています。血液検査の数値から見えてくることと、日頃の生活の中で自身の感覚を研ぎ澄ましていくこと、その両方を大事にしています。

聡子:自身に活力が湧き、より健康になることはありますか?

あさかさん:私の場合は「ワクワクすること」です。長く続けているポールダンスは一生続けていきたいですね。旅行も好きなので、旅行でワクワクして、自律神経も整えて…。そういったことが私の中では美腸につながっていると思います。

聡子:ちなみにポールダンスは、自分がやることと観客に見せること、どちらが楽しいですか?

あさかさん:ダンスをしている自分が楽しいです。自分の好きなスタイルができた時はストレス発散になります。もちろん、見られて喜んでいただけることもうれしいです。

聡子:かすみさんはいかがですか?

かすみさん:私はインコを飼っていて、そのインコとおしゃべりしているのがリラックスタイムです。よくしゃべってくれるので伝わるものがあって、インコと会話できている感じにとても癒やされています。そうすると、外出して森などに行ったときに鳥たちが鳴いているのも会話として感じられるようになり、とても心地いいですね。

しょうこさん: 55歳になったのを機に、お能のお稽古を再開したいと思っています。しばらく休んでいたけれど、また始めたいと思えるようになってきました。自分の中の心の豊かさを増やしていきたいです。

聡子:ありがとうございました。

執筆者
美腸アドバイザー
荒牧 聡子
ベストボディジャパン2021総合優勝のダイエット・腸活アドバイザー。厳しいダイエットで成功後、妊娠・出産を経て体質改善法を習得。産後ママや初心者向けに腸活ダイエットをサポート中。