20分を2~3回、をルーティン化
歩くことは生きること。直立歩行を獲得して人間になったので、歩かないと死期が早まり、歩けば若返ります。ただ単に歩けばいいというものではありません。いわゆる運動としてのウオーキングをしなければなりません。
といっても毎日やる必要はなく、週に少なくとも3日。一度に長く歩くのでなく、20分ほどのウオーキングを2~3回繰り返すのが、もっとも効果的です。そして、歩くのをルーティン化することです。
「そうは言っても歩けば疲れる。年を取るとなかなか疲れが取れなくて」と、尻込みする方。それは間違いで、ウオーキングをルーティンにしている方は、全く逆の感覚を持っています。歩くほど疲れなくなるのです。不思議なことに、ある一定のルーティンの下に正しい歩き方で歩くと、呼吸器系も循環器系も活発に働き、血液に送り込まれた酸素が全身に行き渡るのです。
長距離を走り慣れている方にはわかると思いますが、ある一定の距離に達すると、急に体が軽くなり、気分が爽快になる「ランニング・ハイ」という状態になります。これが、ウオーキングでも起こるのです。
理想的な歩き方とは
では、どう歩くのが理想的なのでしょうか?
まず、歩く前に、準備運動として軽いストレッチを心がけてください。いきなり歩くより、関節や筋肉を伸ばしておくことは、運動としての効果を高めます。
次に歩き方ですが、〈背筋を伸ばして顎を引き、重心をつま先でなくかかとにし、歩幅を気持ち長めに取って、腕を振り、普段の歩くスピードより速めに歩く〉ことです。コツは、歩き出す際に前足はかかとからつき、後ろ足は親指でしっかり蹴り出すこと。
続いては、歩く時間。20分ほどのウオーキングを2~3回繰り返し、インターバルを入れて1時間前後で十分です。1時間がきついなら、10分程度のウオーキングを数回すればいいのです。
厚生労働省のHPでは、長期的に10分程度の歩行を1日に数回行うだけでも健康上の効果が期待できるとしています。一般的に10分間のウオーキングで歩く距離は600~700メートル、歩数にすると約1000歩です。
これを頭に入れ、バスや地下鉄を利用する日常生活なら、1つ手前の停留所や駅で降りて歩くことを心がけましょう。
ウオーキングは有酸素運動なのでカロリーを消費します。ダイエット効果を期待するなら、消費カロリーの計算方法を知っておくべきです。次のように計算します。
[METs(メッツ)×体重(㎏)×運動時間(h)×1.05]
メッツとは、運動の強度を示す単位で、安静時の状態を1メッツとした場合、ウオーキングは3.5メッツの運動強度だとされています。
たとえば、体重55キロの人がウオーキングを行ったときの消費カロリーは、[3.5メッツ×55(㎏)×0.5(h)×1.05=約101kcal]となります。これは、バナナ半本のカロリーに相当します。
運動をしたら必ず、クロージングの整理運動を行います。準備運動と同じ軽いストレッチを行って、歩くのをやめます。
ウオーキングを行うと、「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの分泌が促進されます。セロトニンは日光に当たることで生成されるので、なるべく日光にあたりましょう。セロトニンは夜はメラトニンに変身し、熟睡へと誘います。