知らず知らずの「老人歩き」に気をつけよう
年をとると歩き方が変わります。自然に「老人歩き」になり、歩き方を見るだけで年齢がわかってしまいます。典型的パターンがこれです。
- あごが前に出た姿勢のまま歩く
- ひざが伸びずに曲がったまま歩く
- 体が左右に揺れながら歩く
- ペタペタと足を引きずりながら歩く
- 下を向いて、背中が丸まって(猫背で)歩く
これらを自覚したら、正しい歩き方を意識して心がけなければなりません。若者の歩き方は、「老人歩き」の正反対です。若者が自然に行っている「正しい歩き方」をすれば、少なくとも10歳は若く見えるでしょう。
ただ、歩き方には個人のクセがあります。クセが目立つ人は、どこかに弱い部分があり無意識にかばっている、自分に合った靴を履いていない、などが考えられます。
こうした歩き方のクセは簡単に直せます。
悪いクセを直す方法と正しい歩き方
まずは、自分の歩き方をチェックします。姿見の前に立ち、自分の歩く姿を自身の目で確かめるのです。チェックポイントは、歩いているときの姿勢や目線、脚の運び方、歩幅です。歩幅などは数値化し、意識して変え、姿勢の変化を見たりするのもいいでしょう。第三者の目で印象を聞く、あるいは動画をとって確認する手もあります。ネットで「正しい歩き方」と検索すれば動画で簡単に比較できます。
正しい歩き方をするためには、そもそも正しい姿勢でなければなりません。正しい姿勢とは、背骨の真上に頭があることで上半身を開き、あごを引いた姿勢です。壁に真っすぐ後頭部・両肩をぴったりくっつけて立ち、背中と壁との間に手のひら1つ分の空きがあるのが、正しい姿勢です。
この姿勢から、次の順序で歩き始めます。
- 足指を上に向けてかかとから着地する…両足の裏に均等に重心がかかっている状態から片足を一歩前に出し、かかとから着地。足裏はべったりつけないように
- 両足の親指側に重心をかけまっすぐ立つ…かかとから足裏全体にかけた重心を体重移動しながら親指のつけ根へ。足の内側の筋肉を意識しながら後ろ足を伸ばす
- 後ろ足はふくらはぎを伸ばしてけり出す…踏み込みは親指で行い、つけ根側からけり出して太もも、ふくらはぎがピンと伸びるように
「かかと着地」「地面をけり出し」「重心移動」「内側の筋肉」の4つがポイントです。なお、腕を大きく後ろに振って歩くことも重要なポイントです。
歩くスタイルができたところで、次の問題は、歩き方のスピードです。最も効果的な歩き方は、心拍数が110~120。これは、リラックスした「お散歩あるき」ではありません。どちらかと言うと、「速歩」です。いつもよりちょっと速く歩くのです。そのためには、歩幅を広くするのがコツです。
平均的な歩幅は身長の45%とされます。身長165センチの人なら約74センチになります。これを50%にして歩幅を82~83センチにすることで、スピードも速まり、歩く姿勢もよくなります。
通常の人の歩くスピードは時速3~4キロ、1分間では50~66メートルです。これを少し速くして、時速5キロ強で毎分90メートル歩くのが理想的。このスピードで20分ほど歩けば1日の運動量としては十分です。ダイエットも兼ねたいなら、インターバルを置いてもう1回20分ほど歩けばパーフェクトです。