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疲労回復以外にもこんな効果が! 「クエン酸」の力

疲労回復以外にもこんな効果が! 「クエン酸」の力
エイジングケア
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疲労回復効果が期待できる「クエン酸」。しかし、クエン酸は単にからだの疲れをとるだけではなく、驚くべきチカラを秘めていることをご存じでしょうか。

この記事では、クエン酸の基礎知識や疲労回復のメカニズム、そして、期待できるさまざまな健康効果、おすすめの摂取方法まで解説します。

クエン酸とは?


まずは、クエン酸の基礎情報と、クエン酸が必要な理由についてご紹介します。
 

クエン酸の基礎情報

クエン酸とは、柑橘類や酢などに含まれる酸味成分です。エネルギー生成や疲労回復効果など、さまざまな健康効果を持つことで知られています。

また、酸味料としても一般的に広く使用されているほか、酸性の性質を利用して、アルカリ性の汚れ(水垢、トイレのアンモニアなど)の清掃にも用いられます。

クエン酸が必要な理由

クエン酸は糖質、脂質、タンパク質をエネルギーに変換する化学反応の「クエン酸回路(クエン酸サイクル)」で重要な役割を果たしています。クエン酸回路は細胞内のミトコンドリアで酸素を使って行われ、クエン酸が代謝を経てさまざまな物質に変わっていき、エネルギーの源になるATP(アデノシン三リン酸)を作ります。

クエン酸が不足していると、このクエン酸回路がうまく回らず、エネルギーを効率よく生成できなくなってしまいます。

クエン酸を摂取することで得られる効果


続いて、クエン酸を摂取することで期待できる効果をみていきましょう。
 

疲労回復の効果

疲労回復はクエン酸の代表的な効果です。抗酸化作用があるため、疲労がたまって酸性ストレスにさらされたからだを守り、血液の酸性化も防いでくれます。

筋肉の乳酸を分解して濃度を低くするだけでなく、からだに必要なミネラル成分を吸収しやすくするため、疲労物質の蓄積を防ぐ効果も期待できます。

骨粗鬆(しょう)症予防の効果

クエン酸にはカルシウム吸収効率をアップさせる働きがあり、骨粗鬆症に対しても一定の効果が期待できます。ある研究ではカルシウムの吸収率が20%程度上昇したというデータもあります。

【参考】
「20代でも骨粗しょう症に⁉農家直伝・ゆずレシピでおいしく美しい体づくり!」TBSテレビ
https://topics.tbs.co.jp/article/detail/?id=1378


骨粗鬆症は、骨量が減ることで骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気です。クエン酸を摂取することで骨を丈夫にして、骨粗鬆症を予防しましょう。

高血圧対策の効果

クエン酸を摂取すると、血液の流れがよくなり、血圧の上昇も抑制し、高血圧対策や動脈硬化予防が期待できます。研究では、クエン酸が多く含まれるレモンの摂取量が多いほど、血圧が低く、血液中の尿酸や中性脂肪の値が低いという結果が出ています。

【参考】
「レモンに血圧改善の可能性」健康美容EXPO ニュース
https://news.e-expo.net/news/2010/05/post-121-101.html/

ただし、もともと高血圧の薬を服用している人は薬の作用が強まる可能性があるので、医師の指示を仰いでください。

【参考】
「【医師監修】血圧を下げる方法9選!血圧を下げる食材も合わせて紹介」セゾンのくらし大研究
https://life.saisoncard.co.jp/health/longevity/post/c294/

食欲増進効果

クエン酸の酸味には唾液や胃液分泌を促し、胃を活発にする作用があり、食欲増進や消化を助ける効果が期待できます。夏バテや病み上がりなど、食欲が湧かないときの対策にもおすすめです。
 

クエン酸摂取のポイント


ここからは、クエン酸摂取のポイントをご紹介します。
 

食事からの摂取を心がける

基本的に、クエン酸は食事からの摂取を心がけましょう。クエン酸を効率的に摂取できる食材をご紹介します。

クエン酸が含まれる食材

  • レモン
  • みかん
  • グレープフルーツ

クエン酸は柑橘類を中心に含まれているので、フルーツを食べる習慣があまりない人は、とくに意識的に摂取しましょう。

また、クエン酸は運動後よりも運動前のほうがより効率よく摂取できるといわれています。クエン酸が体内にあるほうが、クエン酸回路を通じてエネルギー生成がスムーズに行えるためです。

人間は体内に多くのクエン酸をためることはできないので、こまめに摂取することもおすすめです。
H3)クエン酸サプリメントの適切な摂取

補助的な目的でクエン酸サプリメントを摂取するのもいいでしょう。明確な基準は定まっていませんが、2000年の厚生省の調査報告書に、「日本人の1日当たりのクエン酸の摂取量は1,483mg~2,189mg」というデータがあります。

【参考】
「様式Ⅰ:届出食品の科学的根拠等に関する基本情報(一般消費者向け)」消費者庁
https://www.fld.caa.go.jp/caaks/cssc02/?recordSeq=42312110700501

平常時は2,000mg程度、運動時は5,000mgくらいを目安上限摂取量にしましょう。マルチサプリメントを摂取している場合は、過剰摂取に注意してください。

【参考】
「疲労回復に効果のある - 栄養素とその食材」福西会病院
https://fukuseikai-hp.com/cms/images/pdf/magazine/eiyo_17.pdf

クエン酸と相性のよい栄養素を摂取する

クエン酸には「キレート効果」という、ミネラルを吸収しやすい形に変える効果があります。カルシウムや鉄、亜鉛などの栄養素の吸収率を高められるため、クエン酸を摂取するときは意識的にミネラルもとり入れましょう。

骨粗鬆症対策には漢方薬もおすすめ


骨粗鬆症対策には漢方薬もおすすめです。

漢方薬は植物、鉱物などの自然の生薬から作られており、西洋薬に比べて副作用が比較的少ないといわれています。漢方薬は服用するだけで済み、手軽に始めやすいことも特徴です。

骨粗鬆症対策を行う場合、「血流の滞りを改善し、骨芽細胞のはたらきを高める」「ホルモンを分泌し、カルシウムを吸収する」「肝臓や腎臓の機能を回復し、ビタミンDを活性化させる」といった働きを持つ漢方薬を使用します。

骨粗鬆症対策におすすめの漢方薬

加味帰脾湯(かみきひとう)

骨粗鬆症の女性を対象とした研究で骨量の増加と貧血が改善されたとの結果があります。

【参考】
「骨粗鬆症に対する加味帰脾湯の効果」日本東洋医学雑誌 第49巻第一号
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kampomed1982/49/1/49_1_59/_pdf/-char/ja

八味地黄丸(はちみじおうがん)

骨代謝や腎機能に働きかけるという研究結果があります。

【参考】
「ツムラ八味地黄丸エキス顆粒(医療用)」医薬品医療機器情報提供ホームページ
https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/5200121D1045_1_11/

ただし、漢方薬は体質との相性が重要です。漢方薬を使用する際は、医師や薬剤師に確認してもらいましょう。

もっと気軽に漢方薬を使用してみたい人には、「あんしん漢方」というオンラインサービスがおすすめです。スマホやパソコンだけで体質診断、漢方薬の購入、専門家の指導まですべて完結します。アフターフォローも万全で、不安なことがあればいつでも漢方のプロに相談できます。

クエン酸は骨粗鬆症や高血圧対策におすすめ

クエン酸は、柑橘類などに含まれる酸味成分で、エネルギーのもととなるATPを作り出すクエン酸回路を働かせる重要な役割を持ちます。また、疲労回復だけでなく、骨粗鬆症の予防や高血圧対策など、さまざまな効果が期待できます。

クエン酸を適切に摂取して、健康的な生活を送りましょう。

解説・執筆者
医療ジャーナリスト
後藤 典子
一般社団法人日本サプリメント協会理事長。賢く選ぶ食と健康プロジェクト統括。同志社大学文学部を卒業後、編集プロダクションを経て、医療・健康ジャーナリストに。「ヘルスデザイン」をテーマに掲げ、健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス- Youtubeチャンネルでは、健康リテラシー向上のための情報を発信している。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」の統括も行う。