老化・介護 泌尿器

食品添加物に含まれるリンが老化を加速!

公開日:2024-03-29
更新日:2024-03-28
食品添加物に含まれるリンが老化を加速!
エイジングケア
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日本人はリンを過剰摂取している

「食品添加物は体に悪い」と言われますがなぜでしょうか。原因の1つに、リンの過剰摂取があります。ほとんどの日本人は通常の食生活を送っても必要量の約3倍を摂取していますが、加工食品やスナック類、ファストフードの依存が高い人は必要量の5倍以上を摂取しています。

リンとは生物が生存するために欠かせない必須ミネラルの1つです。体内に存在するミネラルの中ではカルシウムの次に多く、その約80%は「骨」や「歯」の構成成分として使用されています。そして残りの約20%は全身の約60兆個の細胞の細胞膜やDNA、エネルギーを生み出すATPサイクルにも使用されています。「人の体はリンによって支えられている」と言っても過言ではないのです。

リンの体内濃度が高まると腎機能が低下

ただ過剰な摂取により体内濃度が高まると、老化を早めてしまうのです。それには「腎臓」と密接な関係があります。腎臓は私たちの体内に2つ存在する臓器で、基本的な役割は(1)尿を作る、(2)老廃物を濾過(ろか)して血液をきれいにする、(3)ホルモンを分泌する、(4)再吸収を調整して体内の恒常性(ホメオスタシス)を保つ—の4つです。すなわち「腎臓が人間の寿命を決めている」とも言える大切な臓器なのです。

腎臓では1日に約180リットルもの原尿(尿の前段階)が作られますが、普段からリンを多く摂取していると、原尿中のリン濃度が高くなり、「尿細管」という部分にダメージをもたらします。結果、腎臓の機能を低下させ、体の老化を加速させるのです。

60代の腎臓濾過機能は20代の半分に

もう少し専門的に説明すると、過剰なリンが骨という貯蔵庫を出て、血中や細胞外液などに現れると、危険物質である「CPP」(リン酸カルシウムのコロイド粒子)へ変化します。この「CPP」が動脈硬化、慢性炎症、尿細管障害、慢性腎臓病などの原因となります。

腎臓にある機能単位をネフロンと呼びますが、このネフロンが20代のころに200万個あったとすれば、60代になると半減するのです。すなわち腎臓の濾過機能は60代では20代の半分に衰えます。一度減ったネフロンが再生することはありません。

リンを名乗らない添加物には要注意

中高年で過剰なリンを摂取すると、若い頃と比べて濾過機能が衰えているため、血中や尿中のリン濃度が上がりやすいだけではなく、腎臓への負担がかかり、腎機能がさらに低下するというリスクもあるのです。

リンには「有機リン」と「無機リン」があり、肉や魚、大豆などに含まれるのは有機リンです。無機リンは食品添加物に含まれ、体内吸収率は90%以上と言われています。食品を買うときは、裏面の原材料名を必ずチェックしましょう。「リン酸塩」「メタリン酸」「ポリリン酸」「ピロリン酸」といった表記はすべてリン添加物です。さらに「pH調整剤」「香料」「かんすい」「酸味料」「乳化剤」「強化剤」「加工でんぷん」などの「リン」を名乗らないリン添加物もあるので注意が必要です。

リン摂取のポイント

  • 食品添加物に含まれる無機リンは悪玉である
  • 過剰なリンが腎機能の低下と体の老化を加速させる
  • 「リン」を名乗っていないリン添加物に要注意
解説・執筆者
形成外科専門医
西嶌 暁生
医学博士、形成外科専門医、MBA。1984年7月7日生まれ、富山県出身。形成外科・美容医療の専門医として、10年以上、臨床と研究に従事。2019年から恵比寿形成外科・美容クリニック副院長。著書「だから夫は35歳で嫌われる~メンズスキンケアのススメ」(光文社)が発売中。