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顔から若返ろう! 医師も実践「1分間美顔術」の極意

顔から若返ろう! 医師も実践「1分間美顔術」の極意
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ようやくマスクを外せるようになったこの夏、自分の顔のたるみが気になる人も多いでしょう。でも、同じ年齢なのに、自分よりも若々しい顔の人もいます。この違いには、科学的な根拠があるのです。世界で初めて加齢の画面診断法を開発し、誰でも簡単に取り組める「1分美顔術」を考案した国際医療福祉大学三田病院放射線科准教授の奥田逸子さんにお話を聞きました。

「若い顔」…今からでも間に合う

ある日、自分の顔が以前よりも老けた、と気づくことはありませんか? 久しぶりにマスクを外して仲間と旅行して、いざ記念写真というとき。その場で、スマホの画面を確認して、「なんだか老けたなあ」と思う瞬間があるでしょう。

とくに女性の場合、目の下や頬のたるみ、目元や口元の小じわなどは、鏡を見ながら化粧水などをつけていても、あまり気にならなかったという人も同世代の友人と一緒に映った写真を見ると、つい比較して、「なんで私だけ…」とひどく落ち込んでしまうものです。

「ガッカリされる必要はありませんよ。シワやたるみの仕組みを知れば、誰にでも生じやすいことがわかりますが、今からでも改善することが可能です。ご一緒に若いお顔を取り戻しましょう」

こう力強い言葉で呼びかける奥田さん。2万人以上のCT(コンピュータ断層撮影法)やMRI(核磁気共鳴法)の画像検査の研究を重ね、老け顔の正体を突き止めました。シワやたるみは単なる肌の問題ではなく、皮膚の下の表情筋や表在筋膜(スマス筋膜)、皮下組織の状態が関わっていることを科学的に証明したのです。その成果は、約10年前、北米放射線学会で発表し絶賛されました。

口の下、目の下が気になるのは「表情筋」が衰えたから

「お顔の表情筋は約30種類もあって、きしめんのように薄い構造をしています。コロナ禍のマスク習慣のように、無意識のうちに顔を動かさない状態が続くと、表情筋や表在性筋膜はすぐに衰えてしまうのです」

たとえば、表情筋の中でも、口元から頬骨、目元まで長く伸びる大頬骨筋(だいきょうこつきん)と小頬骨筋(しょうきょうこつきん)が衰えると、頬がたるんでほうれい線が現れやすくなります。深く刻まれたほうれい線は、老け顔を際立たせるでしょう。

さらに頬がたるむことで、口の両端からあごにかけて垂直に伸びるシワ(マリオネットライン)も、くっきりと現れ、口角が下がることでより老けて見えるようになるのです。ほうれい線とマリオネットラインは、老け顔パーツの代表格ともいえます。

また、目の周囲にある眼輪筋(がんりんきん)が衰えると、目の下のクマ、たるみ、シワが現れ、さらに目頭から頬にかけて“しの字”のように刻まれるゴルゴラインも生じます。

「表情筋が衰えると、表情筋をつなぐシートのような表在性筋膜の柔軟性が失われるのです。本来、表在性筋膜は厚みや柔軟性を兼ね備え、表情筋が動くと連動してシャープなシルエットを作り出します。表情筋の衰えと連動して表在性筋膜が硬直したりすると、たるみやシワだけでなく、顔の動きそのものも悪くなります

3年以上も続いたコロナ禍の生活は、笑えない場面もたくさんありました。その状況下、マスクの着用で顔を動かさない習慣が、表情筋や表在性筋膜を衰えさせて老け顔を作り出し、さらに無表情の状態が続くことで、より老け顔を後押し…といった悪循環につながった可能性があるのです。

時間もお金もかけず、ちょっと鍛えれば元の状態に

「筋肉は動かさないでいるとすぐに衰えます。風邪をひいて寝込むだけでも脚の筋力は低下するでしょう。顔の表情筋も同じです。でも、しばしの間休ませていた表情筋は、ちょっと鍛えるだけで元の状態に戻りやすいのです」

こう話す奥田さんは、自身が考案したオリジナルの美顔体操を『顔のたるみ しわ・老け・顔太り 自力で一掃! 名医が教える最新1分美顔術』(文響社刊)などの著作や、テレビ出演などを通して紹介しています。

私自身が、効果を体感している体操です。時間もお金もかかりません。日々、病院での診断や、学生への指導、研究など多忙を極める中でも、簡単に取り組める体操です」

実践!「1分間美顔術」

今回は、「健活手帖」読者のみなさんに、奥田さんが著書で紹介する「1分美顔術」の一部「笑顔体操」「目パッチリ体操」「美首エクサ」について、指導してもらいました。

笑顔体操


まずは「笑顔体操」。これは、頬のたるみやほうれい線、口角下がりやマリオネットラインの解消に役立ちます。口角を上げることを意識しながら行うとよいそうです。

① 口を閉じて口角を少し上にあげます


 

② 口角をさらに上に上げ、「ニッ」と全力で笑った状態で10秒キープ


 

③ ②の状態で筋肉に力が入り、硬くなっていることを指で触って確認します


 

④パッと力を抜いて口を閉じます(口角は少し上げた状態にしましょう)

 

※①~④を5回繰り返して1分間行いましょう。週2~3回を目安に。

目パッチリ体操

次に「目パッチリ体操」。目の周囲にある眼輪筋を鍛えることで、目の下のたるみやゴルゴライン、目尻下がりなどの解消に役立ちます。

① 口を閉じて口角を少しあげます


② 力を入れて目をギュッと閉じ、10秒キープします


③ 力を抜いてパッと目を開けます

 

※①~③を5回繰り返して1分間行いましょう。週2~3回を目安に。

美首エクサ

「美首エクサ」 は、二重あごや首のたるみが気になるときにお勧めの体操です。最近、二重あごが目立つようになっていたという人もいるでしょう。それも長らく続いたマスク生活と大いに関係しています。

① 正面を向いて背筋を伸ばします


② 顔を上に向け、口をとがらせ、「ウー」といいながら、5秒キープします


③ 顔を正面に戻します。口角を少し上げることを意識しましょう


④ 口を横に広げて「イー」といいながら、5秒キープします。首の両横の筋を出す気持ちで「イー」といいましょう

 

※①~④を5回繰り返して1分間行いましょう。週2~3回を目安に。

(美顔体操の方法は、『顔のたるみ しわ・フケ・顔太り 自力で一掃! 名医が教える最新1分美顔術』(文響社刊)から)

うつむいてスマホを見てると二重あご、三重あご、首にシワが

「マスク生活では会話が減り、口をあまり動かさないことが習慣化された方もいます。口を動かさないことで表情筋のひとつである大頬骨筋が衰えて、あごを支える広頸筋(こうけいきん)も衰えます。すると、あごがたるんで二重あごや三重あごになってしまうのです」

加えて、スマートフォンを見るときなど、顔を下に向ける姿勢をとり続けていると、あごを支える広頸筋などがさらに弱くなります。二重あごや三重あごにプラス首もたるみ、樹木を切ったときに見える年輪のようなシワが首に生じることもあります。「美首エクサ」は、二重あごや首のしわを退けるために役立つのです。

1分は意外と長い時間だけど「毎日の継続」で早い効果が

「1分間は、取り組んでみると意外に長い時間です。3種類行うと3分間。全て行うのが難しい場合は、1種類でもよいでしょう。週2日ほど行えば大丈夫ですが、早く効果を得たいと思う方は毎日行ってください。効果が得られるまでに2~3週間はかかりますので、毎日1分でも継続できることに取り組んでいただければと思います

体操のタイミングは、朝起きたときや、夜テレビを見ながらでも、取り組みやすい時間帯に行いましょう。

スキンケアはお手頃価格の化粧品をたっぷり使って

「1分美顔術」でシワやたるみを撃退しつつ、では「化粧品は何を使えばいいのか?」と悩む人もいるでしょう。ドラッグストアやネット通販には、美肌に役立つ美容液などがたくさん並んでいます。でも、高額品は手を出しにくくためらいがちですよね。

お手頃価格の化粧品でも、たっぷり使うことを意識すれば大丈夫です。私も手頃な値段の化粧水と乳液だけ、基礎化粧品として使っています。たくさんの種類を使用する時間もないので、簡単に肌を守る方法を実践しているのです」

「外出時には紫外線対策も重要です。今後、マスクを外す機会が増えますので、ぜひ日焼け止めクリームを活用していただきたいと思います」

紫外線は肌を傷つけ、老化を加速させ、シワやシミの後押しをします。日焼け止めクリームを顔にしっかり塗ってから外出しましょう。

また、紫外線による酸化を防ぐため、抗酸化作用の強いビタミンCを含むキウイフルーツなど、食品も意識してとることが大切になります。肌の材料になるタンパク質を含む肉・魚類も食べましょう。

日頃からよく話し、よく笑うことも大切です。マスク習慣では、話さない、口を動かさない、笑顔を作れないといったことが、老け顔につながっています。マスクを外す機会が増えた今、笑顔で話しましょう。さあ、今日からご一緒に、若いお顔を取り戻しましょう!」

奥田先生流 顔のスキンケア

①低刺激の固形石鹸を泡立て、顔をなるべくこすらないように注意しながら、35度程度のぬるま湯で洗います。クレンジングを使用しなくても、ぬるま湯なら化粧も落ちます。

②柔らかいタオルでポンポンと軽く押すようにしながら、洗顔後の水分をとります。タオルでゴシゴシすると肌のバリア機能が壊れ、シワやシミの原因になるので注意しましょう。

③化粧水と乳液を手のひらにたっぷり注ぎ、合わせてから顔にそっと手のひらを当てて化粧水と乳液をなじませます。

④さらに、台所用のラップに目、鼻、口の部分をハサミで切って穴を開け、化粧水と乳液をたっぷりつけた顔に置くと「ラップパック」になります。5~10分の「ラップパック」でお肌がツルツルに。息ができるように、ラップに穴を開けることをお忘れなく。

(撮影・斉藤佳憲、モデル・奥田逸子さん)
 

監修者
放射線科専門医
奥田 逸子
医師、医学博士、国際医療福祉大学三田病院放射線科准教授、聖マリアンナ医科大学客員教授、鈴鹿医療科学大学客員教授。加齢画像研究所所長。川崎医科大学卒。虎の門病院を経て現職。著作やテレビ出演などで、オリジナルの研究成果の老け予防と若さ維持の方法について紹介し反響を呼んでいる。また、放射線診断医としてマンモグラフィやMRIにおける乳腺画像の診断に従事し、女性の健康サポートに積極的に取り組んでいる。
執筆者
医療ジャーナリスト
安達 純子
医療ジャーナリスト。医学ジャーナリスト協会会員。東京都生まれ。大手企業からフリーランスの記者に転身。人体の仕組みや病気は未だに解明されていないことが多く、医療や最先端研究などについて長年、取材・執筆活動を行っている。科学的根拠に基づく研究成果の取材をもとに、エイジングケアや健康寿命延伸に関する記事も数多く手掛けている。