フジテレビアナウンサーの川野良子さんは、BSフジの「クイズ！脳ベルSHOW」などを担当し、アナウンス室の管理職という立場でもあります。報道とエンターテインメントの最前線を担っているテレビ局でバリバリと働きながら、どのようにして美容や健康意識と向き合っているのでしょうか。
口を動かすアナウンサーは健康にもプラス
川野さんはニッポン放送でキャリアをスタートさせ、2006年4月、組織変更に伴ってフジテレビに移籍しました。ラジオからテレビへと職場を移し、身だしなみを整える大切さを再認識したと話します。
「テレビだとヘアメークさんやスタイリストさん、自分をより良く見せてくれる方のサポートがあるんです。特に髪形ですね。後回しになりがちですが、いつもと違う手を加えるとグッと印象が変わります。ポイントは、正面だけじゃなく、人から見える後ろや横にも気を配ること。私も結婚式などに向かう前には、美容室に行くなどして髪形をちゃんとしようと心がけています」
原稿を読み上げて情報を視聴者に届けるというアナウンサーの役割も生かされていると言います。
「顔の筋肉をいい形で動かせる職業だと思うんです。口角が上がりますし、表情も意識しますしね。テンポよくしゃべることが口の動きをよくする、顔の筋肉も動かせる、しかも仕事にできる。一石三鳥くらいになっているかもしれませんね」
しっかりとしゃべることは健康面を考える上でも重要だと実感したのは、以前に介護サービスのイベントに取り組んだときでした。
「口をしっかり動かすことは、食べ物の咀嚼（そしゃく）につながるという話を聞いたんです。口の運動は会話を円滑にして、咀嚼で食べ物を自分の栄養として取り込むことにもつながると。口を動かすことの大事さが分かりました」
多忙な毎日でも心を整える
一方で、テレビ業界というと、働く時間が不規則になりがちというイメージがあります。2人の息子を持つ川野さんも、“働くお母さん”として慌ただしい日々が続いたそうです。
「特に息子たちにお弁当を用意するようになったときが大変でしたね。仕事が終わって帰宅したら、夕飯を作ってお弁当の準備。深夜の1時とかになってしまって。ご飯を作るか仕事しているか、という感じでした」
4月から長男は大学3年生、次男が大学1年生。現在はお弁当作りから解放されたそうです。ただ子育てがひと段落すると、かえって喪失感に襲われる女性も多いと聞きますが…。
「そうですね。あの騒がしさは何だったのか！と。そう考えると、仕事があるのは良かったかもしれません。これからは自分らしく生きるために何をしようかという感じです」
そう思えたのは、忙しい中でも「自分の時間を持つ」ことを意識してきたのが関係しているかもしれません。40代からヨガを趣味にしており、2年前に講師の資格を取得しました。
「もともと肩こりがあってマッサージに通っていたんですが、そこにかけるお金があるなら、自分で体を動かした方がいいなと始めたんです。これが意外にはまって（笑）。呼吸法も合わせてやるので、心をリラックスさせてくれるような“整う”感じがあったんです。週に1時間やるだけでも、だいぶ違います」
職場と家庭以外のコミュニティーがいい刺激に
ヨガの経験を通じて、職場と家庭以外にコミュニティーを形成する重要性にも気づけたと言います
「普段と違う人と会話するのは、いい刺激になります」
そして、「クイズ！脳ベルSHOW」に登場する、シニア世代のゲストたちからも刺激を受けているそうです。
「50代、60代、70代と各世代で、できることやモチベーションは変わってくると番組を通じて実感しています。80代でもかくしゃくとしていて、正答率が高い方がいらっしゃいますから」
川野さんも50歳を過ぎ、定年後について考えるステージに入りました。
「アナウンサーという職業は技術職ではあるので、若い世代に教えるとか何かしらの形で関わっていければとは考えています。そのためにも、できる内に勉強しておこうと思います。何もしないのは簡単だし、いつでもできますから」
ヨガ以外にマリンレジャーのSUPをたしなみ、絵画教室にも通い始めたという川野さん。自分時間を持つことが、ライフスタイルの充実につながっているようです。
（取材・磯西賢、写真・岩崎叶汰、BSフジ提供）
川野良子（かわの・よしこ）
フジテレビアナウンサー。1970年6月14日生まれ。神奈川県出身。法政大学卒。1994年にニッポン放送入社。2006年4月、組織変更に伴い、フジテレビに移籍。現在はアナウンス室局次長職デスク担当。
BSフジ「クイズ！脳ベルSHOW」は毎週月曜22時放送。司会はお笑いコンビ「ますだおかだ」の岡田圭右さん。